例会トピックス

 
あんず句会(藍生関西10月例会) 
(平成18年10月2日)
会場:曼陀羅山 寂庵
兼題:後の月・蓮の実・鳥渡る

主宰ご出句

翔ぶがごとく寂聴先生十三夜

後の月北国街道出雲崎

髪剪つて編上げの靴雁渡る

大賀古代蓮その實のとんでことごとく

高野山無量光院十三夜

ききよう

特選句
消燈夫とふ職業有りき十三夜
忘れたきことは忘れず桔梗濃し
月の夜の海鼠何やら痒さうに
夕紅葉朝紅葉連山湖国
まよなかの月一山の露あつめ
蓮の實の飛ぶしづけさの招提寺
後の月後半生の我にあり
海かこむ与謝の端山や後の月
支へられて去来忌の座に着かるるも
甘んじてでくと呼ばるる刈田風
揚げての繕ろひ鳥渡る
遥かより来て老人の稲の香す
湖と手鏡ひとつ月を待つ
十六夜の男のもとへ戻りたる
おむかひの絵描きの家も月の中
西湖よりとゞく蓮の実紅蓮の実
麒麟は睡る月のいろした葉を食べて
お嫁入とはよき言葉栗おこは
草の実を叩いて人を訝らず
僧若き素読のこゑや後の月
茎付の蓮の実売の老婆かな
蓮の実の飛んで彼の世に蓮の花
十三夜雲と名付けし猫を抱き
小鳥来るかがみて人をやりすごし
香部屋といふ一と間あり十三夜
村起し松茸当たる籤を付け
吾亦紅あなたとわたし歩くだけ
京都駅鉄骨越しの後の月
木のつくる音が山音十三夜
寺島 麻里
今井 豊
橋本 榮治
大出 豊子
宇高 徳子
奥 良彦
橋本 薫
永井 雪狼
河村喜代子
滝川 直広
大出 豊子
本郷 熊胆
橋本 榮治
植田 珠實
河辺 克美
出井 孝子
河辺 克美
太田 智子
曲子 治子
今井 豊
安田 和子
中村 昭子
洲ア 展子
河辺 克美
畳谷 智代
永井 雪狼
桑瀬 糸子
藤平 寂信
畳谷 智代










 
一重丸句
  山寺の座禅の誘ひ鳥渡る
秋声を聴く寂庵の微笑仏
茅葺の貝殻ひかる渡り鳥
仁王さま留守蓮の実のとびつくし
山々は小鳥を放ち蛇笏の忌 
色鳥や陽射したつぷり縁側に
柴栗をひろひし山も老いたりと
蓮の実頭の痛きことばかり
本開くときこぼるるよ実むらさき
山頭火忌天領の銀坑窟
色鳥の発ちし高野の日の翳り
依存せず孤立せず生き蓮は実に
若狭富士浜小屋小さく鳥渡る
水澄みて心経に朝はじめけり
バンコクの修羅は思ひ出後の月
横山 笑子
長  晴子
宇高 徳子
佐渡寿美恵
橋本 榮治
億  みき
太田 智子
水谷 紀子
井アユキ子
大出 豊子
三枝 桂子
氏野 光子
永井 雪狼
太田 智子
大出 勝重








             
記:長 晴子   写真(c):長 晴子


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