例会トピックス

 
あんず句会(藍生関西9月例会) 
(平成18年9月8日)
会場:曼陀羅山 寂庵
兼題:霧・虫一切・花野

主宰ご出句

       へぢ
秋声を聴く辺地をゆき辺地をきて

いなづまのあをし足摺岬より

野分立つおほきな月の岬かな

いくたびもいなづま海原をきたり

足摺の秋あらあらと虹二重

ききよう

特選句
動かずに居やうとおもふ虫の闇  
氷頭膾父のごとくに酔うてをり  
淋しさのしづかに積もる良夜かな 
烏瓜の花結び目のみつからぬ   
見送りは此処まで花野ゆきたまへ 
秋の夜や鰥暮しの釦つけ     
あをぞらと麒麟をつれてゆく花野 
浜風の送り念仏蝉時雨      
霧しづく湖舟はを解きはじむ  
身ほとりも身の内も霧立ち尽くす 
軍手など干してはげます敬老日  
刀匠の研ぎ場にあそぶきりぎりす 
水のごと月の明りにすれちがひ  
病室へ床屋よびけりちんちろりん 
浜木綿の一村霧の流れけり    
早苗田に秋風チワン自治区かな  
月あはくして宵の京夜半の志賀  
喜劇でも悲劇でもなく夜のちちろ 
霧纏ひ幻住庵へゆつくりと    
残身の炎の消ゆるなき大文字   
大花野ちひさくなつて暮しませう 
嵯峨鳥居本仙翁町施餓鬼幡    
新涼の木屑をこぼす仏師かな   
(京都)河辺 克美
(神奈川)橋本 榮治
(京都)洲崎 展子
(京都)曲子 治子
(京都)出井 孝子
(滋賀)藤平 寂信
(京都)河辺 克美
(三重)中條 かつみ
(広島)大出 豊子
(愛知)篠田 くみ子
(京都)太田 智子
(奈良)奥 良彦
(大阪)岡本 弘子
(京都)億 みき
(三重)中條 かつみ
(大阪)長 晴子
(神奈川)橋本 榮治
(京都)寺島 麻里
(京都)茶谷 幸子
(京都)滝川 直広
(愛知)梅田 昌孝
(大阪)宇高 徳子
(京都)曲子 治子






 
一重丸句
  じつとして萩の露吸ふ黄蝶かな
火の鳥居水に映れる涼新た
さざなみの十一面の素秋かな
お米屋の横の草むらきりぎりす
ひとつ憶へ三つ忘るゝちゝろ虫
秋風やわが身離るるものばかり
ゆるぎなきしじまを雨後の鉦叩
みんなそろつて霧のなか行くばかり
寝返りてほのとかほりぬ菊枕
たかく活け風のあつまるすすきかな
日の差さぬ花野に坐して祈りけり
立待の月より遅き稿を待つ
身の奥に二百十日の胡弓鳴り
菊すがし句会歌会と奥座敷
(京都)河村喜代子
(神奈川)橋本 榮治
(兵庫)今井  豊
(京都)中村 昭子
(京都)出井 孝子
(大阪)氏野 光子
(京都)滝川 直広
(愛知)梅田 昌孝
(滋賀)藤平 寂信
(大阪)宇高 徳子
(愛知)篠田くみ子
(京都)滝川 直広
(大阪)岡本 弘子
(京都)安土八重野





             
記:茶谷 幸子   写真(c):長 晴子


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