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あんず句会(藍生関西7月例会)
(平成18年7月21日) 会場:曼陀羅山 寂庵 兼題:涼し・夏の山・百日紅 |
主宰ご出句 | ||
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月山のほたる火の闇踏み迷へ 新盆の家朝顔の団十郎 蛍火の渦昏々と睡らんか 月山の闇ほたる火の渦の闇 あをあをと夏花摘む夢あをあをと |
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特選句 | |||
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夫に貸し与へおきたる涼しさよ 橋本 薫 涼しさの雨の寂庵微笑仏 岡村 藍 積丹の義経説話星涼し 吉成 素子 茅葺は涼し合掌造りなほ 馬場 菜摘 物語のやうなひとひの団扇置く 植田 珠実 寂庵の路地を灯して梅雨深し 宇高 徳子 薬草を干し薪を干す土用かな 畳谷 智代 声明のほのかに合歓の花まぶし 今井 豊 散り急ぐものに音なく星涼し 畳谷 智代 幽門のあたりの痛む蟇の声 橋本 栄治 涼しさや夜には夜の波の音 宇高 徳子 朴の葉のしづかにゆるる夏の月 畳谷 智代 羅の母しばらくはよそよそし 阿部 輝子 頓に衰ふる読書力百日紅 藤平 寂信 |
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一重丸句 | |||||||
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終戦日姉逝きたる日さるすべり 川勝 洋子 開いているはずの部下の眼梅雨深し 滝川 直広 牧いちめんの饅頭花(まんとうげ)露涼し 長 晴子 晩祷のジャワの妊婦の裸足なる 安土八重野 天地の闇をひとつに虫送り 橋本 栄治 一隅に青空の見ゆ頬すずし 川勝 洋子 荒梅雨の比叡を越えて都入り 永井 雪狼 経蔵や強靭の白百日紅 今井 豊 蓮ひらく宇治川は水満々と 今井 わこ 通天橋山滴りて臥雲橋 安田 和子 蓮揺るる自由なること孤なること 滝川 直広 をみな古り梅雨のにほひの夢を見る 岡本 弘子 蛍火の揺れ昇りては星の中 橋本 栄治 晩涼や身ぬちくずれて犬吠えて 中井 恭子 水音の昏し万緑なほくらし 渋谷 澪 ひと粒の嘘のはじまり百日紅 河辺 克美 牧草を踏みゆく馬上とは涼し 長 晴子 乱舞とはいへねど子らに初蛍 滝川 直広 月鉾を仰ぎて夜空深かりき 洲崎 展子 海の日や海には遠き椅子にかけ 井崎ユキ子 呼ぶ声も応ふる声も夏の山 永井 雪狼 告白の少女のこゑの涼しとも 河辺 克美 誰も来ぬ庭にぽつんとねぢり花 荻野りゅう 反物のままに竺仙藍ゆかた 太田 智子
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記:長 晴子 写真(c):長 晴子 |