例会トピックス 

あんず句会(藍生関西4月例会)
 (平成18年4月21日)
会場:曼陀羅山 寂庵
兼題:清明・春星・花一切

主宰ご出句
四月二十一日句会
寂庵のいよいよ残花しぐれかな

吉野
みくまりのみづのにほひのあさざくら

〓屋のあるじと語る穀雨かな

上千本中の千本残花冷

金峰山寺
雪片のなほ舞ふ扉開け櫻かな

特選句
  朝桜また夜桜にあそびけり 今阪 雅子





  花人の髪無造作に束ねられ 奥  良彦
  花人の筆塚などに詣でけり 高城 玲子
  仏壇の妻に八朔柑供へ 藤平 寂信
  八重に咲く一葉といふ花に会ふ 茶谷 幸子
  老の身をいたわつてみる桜かな 井崎ユキ子
  夕ざくら女嫉妬の矢を放ち 中村 昭子
  手をつなぐそれだけでよい花満ちて 中村 昭子
  花吹雪浴びてよきこと思ひけり 大出 勝重
  あをあをと花見るあはれすぎてゆく 桑瀬 糸子
  漕ぎいでて仰ぐ湖北の星朧 藤平 寂信
  夕闇にかかる春星手紙読む 水谷 紀子
  清明や煎茶お点前三井古流 藤平 寂信
  招かれて笹部桜の波に佇つ 井崎ユキ子
  誦して書く梁塵秘抄花の昼 河辺 克美
  花守の妻の大きな背負籠 河村喜代子
  寂庵に学びて三年さくら咲く 氏野 光子
  小倉山その一声をほととぎす 永井 雪狼
  灯ともれば空なほ蒼し山櫻 森光 梅子
  あらし山商店街も花ふぶき 河村喜代子

一重丸句
  朧とは酔心地なる別れ際 田邉 閑雲










  三分停車の駅に立つ夕櫻 三枝 桂子
  つばくらめ水の底から昏れてきし 宇高 徳子
  水ひかる方へ残花のふぶきけり 長  晴子
  桜鯛なんの祝もないけれど 洲崎 展子
  花の雲刀匠村正屋敷跡 横山 笑子
  しぐるるや御室の櫻咲きて満つ 森光 梅子
  飛花落花島の町の名消えにけり 大出 勝重
  この国を守るかのごと櫻咲く 寺島 麻里
  花冷や足裏にひびく瀧の音 畳谷 智代
  朝刊をひらくさくらの公園に 横山 笑子
  ねぎの花腹の底から笑ひたし 井上 薫子
  花浴びて来し寂庵の句座にかな 佐渡寿美恵
  清明や水張りてみる金魚鉢 水谷 紀子
  寂庵に着くやたちまち花の雨 永井 孔雀
  つちふるや日暈月暈倅発ち 中村 昭子
  残業の子に空色の染卵 橋本  薫
  いくさとは応仁の乱薯植うる 滝川 直広
  墓場より海へと吹かれ花一片 安田 和子
  波音の朧深むる浮御堂 永井 雪狼
  刃物屋の紅濃きしだれざくらかな 横山 笑子
  桜蕊ふるあの人の声忘れ 宇高 徳子
  子どもふたりの花筵庭の内 本郷 熊胆
  清明の荒磯に増ゆる鳶のふゑ  出井 孝子
  湯煎してつちふる夜を膠溶く 曲子 治子
  よこしまな心の過ぐる花の昼 安土八重野
  洛中の花冷つまる布かばん 滝川 直広
  きのふまでたしかにありし古巣かな 滝川 直広
  船岡やはねずに染まる花衣 安土八重野


記:滝川 直広  写真(c):長 晴子


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