例会トピックス 

あんず句会(藍生関西3月例会)
 (平成18年3月17日)
会場:曼陀羅山 寂庵
兼題:雛祭・椿・燕

主宰ご出句

 三光鳥こころのために歩けとや
                   りょうえい

 熊野修験高木亮英春星座
 山笑ふ二の瀧如意輪観世音
 涅槃会の那智の朝日を拝しけり
 おぼろ満月垂直に那智の瀧


特選句
  吹かれては闇抜けてくる落花かな 橋本 榮冶








  湖神に葦焼きの輪を奉る 藤平 寂信
  一人でも泣くことはないつばくらめ 氏野 光子
  グラッパは無色透明冬の旅 瀬戸内寂聴
  もてなしの焚き香なりし春障子 宮永 麻子
  雛祭男の孫の来たりけり 太田 智子
  いくばくの余生と知らず今朝の梅  瀬戸内寂聴
  山姥の五時の方向紅椿 滝川 直広
  道も狭に道も狭に売る諸子かな 橋本 榮冶
  燕来る三〇〇円のおべんたう 上村 章子
  木屋町の好きなつばくろ戻りくる 出井 孝子
  椿落つ落つる光といふがあり 橋本 薫(石川)
  散る椿この世離るゝときひとり 出井 孝子
  もうたれもあそびにこないふきのたう 曲子 治子
  春愁のジャムの中なる空気かな 曲子 治子
  落椿母踏むやうに踏まむかな 出井 孝子
  あはくあはく妹の夢見て梅真白 橋本 榮冶
  かすれゆく愛にカステラ春の雪 河辺 克美
  雛飾る男世帯の玄関に 藤平 寂信
  正面に春月を見てもどりけり 今井 わこ
       


一重丸句
  春荒や車内広告一新す 奥  良彦







  お松明はきのふ静かなけふの雨 河村喜代子
  この雛も北前船で来しといふ 滝川 直広
  涅槃雪小さきちひさき鬼瓦 横山 笑子
  春寒の合せ鏡に真のかほ 安土八重野
  余寒なほ庵の深夜ひとり書く 瀬戸内寂聴
  貧しくて貧しき雛桃の花 中村 昭子
  初音して誰にも会はぬ石畳 今井 わこ
  椿百酔覚めの水ごくごくと 井崎ユキ子
  そらあをきままゆきこぼす花辛夷 宇高 徳子
  佛間にも雛の華やぎ充ちてをり 佐藤 静江
  稜線に月現はるる雛の宿 安田 和子
  鳰の海だいだい色に春の月 藤平 寂信
  なかよろしつばめの親子なかよろし 野埜 百合
  ぼんやりと鴨居の低き雛の家 曲子 治子
  来るといふ気配に雛飾りけり  宮永 麻子
  まつさらな椿に近き墓標かな 洲崎 展子
  誰ぞ来てとなりに坐る雛の夜 出井 孝子
  長き闇抜けりつらつら椿咲く 篠田くみ子
  人恋し暮ゆく梅の街角は 本郷 熊胆
  もろもろの椿見てきし独り飲む 寺島 麻里
     
     
     
     


記:寺島麻里  写真(c):長 晴子


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