例会トピックス 

あんず句会(藍生関西1月例会)
 (平成17年1月20日)
会場:曼陀羅山寂庵
兼題 初凪・春隣・水仙

主宰ご出句
《主宰は当日所用で欠席されました。》

特選句
  小走りに寂聴先生水仙花          野木 藤子







  春隣電話ききとりづらけれど        二宮 操一
  雪螢来る寂庵の微笑佛           長  晴子
  野水仙ひそやかに木々老いんとす      植田 珠実
  風花のつきたる傘を置くふたり 今阪 雅子
  水仙や二人の姉の早く逝き         中村 昭子
  初凪や包丁持たず筆持たず    河辺 克美
  初凪のボートに二人ぼっちかな       野埜 百合
  あたらしき筆はこべらや芹なずな      曲子 治子
  枯芙蓉ひもじき鳥のきて啼けり       岡本 弘子
  初茜山に煙のあがりけり          今井 わこ
  初旅の空真青なる善光寺          荻野りゅう
  一月の坐り机を砦とす           寺島 麻里
  春隣されど廊下の長きこと         井崎ユキ子
  年取るや八十五歳気力湧く         藤平 寂信
  水仙に白波寄する旅半ば          太田 智子
  八寸は美しき丈寒の芹           永井 雪狼
  左義長へペタルを踏みて吾五十       本郷 熊胆
  報恩講羽織の丈は長くして         横山 笑子
  初凪や光りの道に浮く千鳥         中條かつみ


一重丸句
  春隣歌舞伎座まではふだん着で 野木 藤子










  初凪やあそびて呉るるひとの居り       二宮 操一
  語らへる語尾やはらかし雪月夜        三枝 桂子
  子と摘みしなづな加えし小豆粥        宮永 麻子
  若菜摘む裏庭に出る母の忌や        吉成 素子
  向かひ家に婚の荷の着く霜ばしら       安土八重野
  水仙や活断層の上に棲み          宇高 徳子
  はかまなどはづさないでよ水仙花   中村 昭子
  嚔ひとつ金米糖を転がして      中川 恭子
  床板のひたひた沈む水仙花     河辺 克美
  寒日和首を伸ばして歩こうよ  河村喜代子
  冬木の芽胸をそらせてをりにけり 田邉 閑雲
  雪に掘る玉菜のあましやはらかし 佐渡寿美恵
  春隣きつと逢へると信じつつ 桑瀬 糸子
  透きとほるはなびら餅のごぼうかな 阿部 輝子
  陶工と言葉を交す春隣 安田 和子
  小指より爪切るをんな春隣 塩路 五郎
  初凪の湖のうしろの山の鐘 大出 豊子
  理科室に茎の直ぐなる黄水仙 出井 孝子
  臘梅のとてもきれいな忌日かな 篠田くみ子
  初夢のわがデスマスク笑み含む 永井 孔雀
  薫ること忍ぶることの水仙花 下山 容子
  抜きん出てをれば裸木でもよくて 滝川 直広
  ぼたん雪おなかのへらぬきのふけふ 寺島 麻里
  一隅を照らす水仙玻璃の内 奥  良彦
  虻そとに放ちてやりぬ春隣 川勝 洋子
  水仙の香に誘はれし姑の室 橋本 良好
  冬の蝶ルルドの水を手渡せり 洲崎 展子
  荒壁にはりつく寒の蓑と笠 渋谷  澪
  河豚が好きで嘘が嫌ひで無器用で 氏野 光子
  野水仙なだるる瀬戸や橋みえて 億  みき
  春隣豊さん待つ句座の顔 伏見 玲香
  手習ひの大悲を誓ふ初日かな 大出 勝重
  春隣めがねフレーム花模様 南浦 小糸
  ママレードぽつてり乗せる春隣 水谷 紀子
  水仙の部屋に淋しさ閉ぢ込めて 金子 恵美
  血を分けて似て非なる者成人す 青 天 子
  荒波は水仙郷へ打ち揚げず 村上 敏子
  水仙の香のまつすぐに来たりけり 橋本  薫
  水仙や喜寿となりたる同窓生 佐藤 静江


記:長 晴子 写真(c):長 晴子


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