例会トピックス 

第164回 藍生12月例会

(平成17年12月18日)
会場:科学技術館第三会議室

主宰ご出句

   十二月四日「遍路吟行」八年をかけて満行
  生き延びて猿のこゑ聴く霧氷界
  柚子湯して六十七歳粗衣粗食
  大年の結願のかほわれのかほ


特選句
  真夜中にコンビニにゆく木の葉かな 石川 秀治






  数へ日の水を静かにこぼしけり 後藤 洋
  とほくから歩いてきたり冬の蠅  栗島 弘
  一年中レタスを食べて十二月 大矢内 生氣
  走り去るかたちに凍る冬の川 水巻 令子
  雪螢弾む心で見る日あり  石川 秀治
  はればれと枯れて梅の木桜の木 今野 志津子
  冬薔薇真白月齢満ちにけり 深津 健司
  雪吊を過ぐる少年剣士かな 小松 勢津子
  青邨忌一万一千胼の手に 藤井 正幸
  藤づるの椅子の小さき冬の海  岩井 久美恵

一重丸句
  日暮れまで落葉の風をみてをりぬ 田邉 文子

  年惜しむ斜め斜めに葱を切り 大場 敦子
  黒靴のどれも似てゐし十二月 有住 洋子
  木枯やもの煮る妻が何か言う 真板 道夫
  炉のけむり眼にしむ句歴浅からず 森田 伊佐子
  きらきらと地に触れ木の葉走りけり 山口 恭徳
  寒波来る子ら大声を出す訓練 岡崎 華与
   ふらりと出づれば冬ざくら一樹 盛田 道子
  胸中に冬木一幹立ちにけり 寺澤 慶信
  霜柱朝粥作ってくれぬ妻 田中 啓介
  生けるもの柩の上の雪螢 高橋 由枝
  ゆふべのかたちそのままに霜野原 小木曾 仁子
  あたたかな風に音たて枯芒 名取 里美

記・写:後藤 洋


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