例会トピックス 

第160回 藍生5月例会

(平成17年5月15日)
会場:池袋芸術劇場中会議室

主宰ご出句

     五月八日、伊豫吟行
   お遍路にふくろふの子の墜ちてきし
     みちのく天台寺在住20年、寂聴さんに後継住職決まる
   真清水の音のあはれを汲みて去る
     三鬼賞大賞の人に
   今井豊西東三鬼雲の峰

 

特選句
  春雷や森鴎外のデスマスク 岩井 久美恵







  風と来て卯の花にゆきどまりけり 二宮 操一
  たんぽぽの絮ひとりひとりのベンチ 田邉 文子
  五月来る白鳳仏のうしろより 石田 六甲
  戸籍まだ神田に残す祭りかな 藤井 正幸
  葉櫻の日暮のみちをもどり来ぬ 安居 須美子
  そば畑にぽつぽつ双葉夕薄暑 石川 秀治
  考へてをれば水木の花の降る 今野 志津子
  新しき仕事覚ゆる竹の秋 成岡 みつ子
  牡丹の地上二尺の闇に浮き 岡崎 華与
  ぬかるみを飛ぶ山藤のにほひかな 成岡 みつ子
  蛇衣を脱ぎて老女の庭を去る 三木 潤子
  箱書のありし八十八夜かな 深津 瑩子
  ともかくも小鴨の数をたづねけり 寺澤 慶信
  ふりやまぬまま鮎宿の灯りけり 栗島 弘
  土蜘蛛の壬生念仏のただ中に  井上 英子
  ぼうたんの一花にとびら開け放つ 有住 洋子
  青葉冷記憶深まりゆくことも 沖山 充弘
  夕方となれば月待つ更衣 安達 潔
  朴の花しづかに傷みきてをりぬ 今西 美佐子
  谷越へて谷透かし見る藤の花 三木 潤子

記・写:後藤 洋


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