例会トピックス 

あんず句会(藍生関西12月例会)
兼題  ゆりかもめ  極月  冬の星

 (平成17年12月8日)
会場:曼陀羅山寂庵


主宰ご出句
   四国遍路吟行満行十二月四日
霧氷林結願の虹放ちけり
  三寸減つたいや五寸遍路杖
  寂信さんのお歳暮地酒湖の韻(おと)
        土佐中村
幸徳秋水綿虫の光跡
       十二月四日大窪寺
満行結願時雨虹霧氷林

特選句
  冬瓜を煮るあたたかき闇に添ひ 畳谷 智代 









  クリスマス夫の古き絵さがしあて 太田 智子
  片方の錘捨つべし冬北斗 河辺 克美
  捨てきれぬ狐襟巻眼がひかる 安土八重野
  極月を摺り足でゆく仏師かな 曲子 治子
  寒昴琵琶湖の天に滲みつゝ 藤平 寂信
  木枯しのにほひ男の布カバン 洲崎展子
  夕映のほとほと紅し雪蛍  田邉 閑雲
  ゆりかもめ藤十郎をまなかひに  出井 孝子
  みほとけの山深々と霧氷界 三枝 桂子
  みづからのひかりを惜しみ冬櫻 渋谷  澪
  かぞへ日の糠で磨いて古き顔 中村 昭子
  暮らし替へせむ極月の荷を捨てむ 米田多美子
  極月や奥に静かな喫茶店 河村喜代子
  花替へて師走の部屋と致しけり 安土八重野
  極月の窓辺熱帯植物群  洲崎 展子
  書き終えてすこしづつ冷ゆ窓辺より  宮永 麻子
  うつくしき母を捨てたる木花かな 植田 珠實
  いい匂ひ電子レンジで餅焼けば 藤平 寂信
  極月やわが生涯も極まるか 藤平 寂信
  雪の描く火の俤を大文字 今阪 雅子
  極月や老いて静かにきくピアノ 河村喜代子
  襲名の紙衣藍染藤十郎 曲子 治子
  夜のあけるつめたさににて林檎剥く  植田 珠實
  ぽけつとの闇に塵なし寒すばる 出井 孝子
  呼べばくる人に懐きしゆりかもめ  横山 笑子
  冬の星をとこは山羊と眠りけり 水谷 紀子

一重丸句










  蛇眠る風の岬のふところに 畳谷 智代
  三重にしてテーブルクロス十二月 河村喜代子
  花折の谷の水引き注連作り 宇高 徳子
  電動鋸の音高し松手入 佐藤 静江
  助つ人として入る厨十二月 長晴子
  けふを生きたる真冬の顔を洗ひけり 田中 櫻子
  極月の結願寺より逆打ちす さとうかしこ
  温泉に行きたくないが忘年会 太田 智子
  暮早し上下に開く古き窓  田中 櫻子
  ゆりかもめ駅に預けし旅鞄 さとうかしこ
  病む兄の眼かなしき十二月  中村 昭子
  真冬わが住まひ移すも夢に似て 田中 櫻子
  極月や鬼も仏にめぐりあひ 橋本 良好
  初雪やしんしん君のふりつもる 野埜 百合
  夫の忌やま冬の星座めぐりくる 宇高 徳子
  何事もなかつたごとくゆりかもめ 橋本半風子
  枯野ゆく心づもりの旅鞄   米田多美子
  河豚を両手にぶらさげてゆく男かな  今阪 雅子
  初恋と初冠雪と初苦悩  下山 容子
  咲ききつて極月の薔薇棄てらるゝ  出井 孝子
  卓上に安心の黄の柚子一個  畳谷 智代
  南座の屋根に一羽のゆりかもめ  河村喜代子
  ゆりかもめ淡海はしろき雲そだて 大出 豊子
  幾人に阿波の道問ふ雪ぼたる 出井 孝子
  瞑りて睡らず冬の星あかあか 出井 孝子


記:植田 珠実  写真(c):長 晴子


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