例会トピックス 

あんず句会(藍生関西11月例会)

 (平成17年11月18日)
会場:曼陀羅山寂庵


主宰ご出句
嵯峨菊の一茎三花風とらふ
    高野山上
冬に入る無量光院墨磨つて
    盛岡にて
白鳥のこゑ天降りけり墓の山
  寂庵と告げて瞑る小春かな
    金子兜太先生
木枯らしかいや虎落笛荒凡夫

特選句
  冬ざくらがらくた市のその真中
出井 孝子





  木の葉髪布ゆるやかにまとふべく 米田多美子
  卸売市場上空都鳥 橋本  薫(大阪)
  履物をそろへる櫨もみぢいまだ  河辺 克美
  深川は父の故郷返り花  宮永 麻子
  黄落や競歩のごとく猫とほる 橋本  薫(大阪)
  うどん打つ初木枯の忌日かな 内山 森野
  ゆつくりと我を育つる深雪かな 内山 森野
  忘れたることのみ多し猫じやらし 七波 真理
  手の冷えて来し梟の山の闇 畳谷 智代
  木の葉髪砂のやうなる夜の畳 河辺 克美
  駆け抜けて来たかもしれず返り花 曲子 治子
  小鴨社の鴨社に献ず今年米 安土八重野
  火の星の大き瞬き毛糸編む 植田 珠實
  もも色の着物脱ぎすつ木の葉髪 中村 昭子
  浅く浅く夜を眠りぬ雁の声 橋本 榮治
  京に棲み1O1OO日冬立てり 寺島 麻里
  まだ力抜かぬものたち冬の水  橋本 榮治
  駅までの道濡れてゐる夜食かな 曲子 治子
  単体でゐるといふこと海鼠食ふ たかぎちようこ
  うしろより青年の指す返り花 今阪 雅子

一重丸句






  水鳥や日月同じ水に浮き           滝川 直広
  堀端にたどり着きたる浮寝鳥         滝川 直広
  傷つきし小鳥置き去る返り花         田邉 閑雲
  田にお灸据ゑたるほどの焚火あと       宇高 徳子
  巫女募集若干梅の返り咲く          安土八重野
  朝夕の土の香冬のはじまりぬ         米田多美子
  豆引いて小豆も引きぬ満月に         畳谷 智代
  あなたにはさはらないからつめたいまま    植田 珠實
  林檎噛む死にたい日にも生きてゐる      七波 真理
  いくさとは昭和のことよ木の葉髪       永井 雪狼
  ピーと啼けばガーと応へて池の鴨       河村喜代子
  水鳥のねむらぬ夜の美術館          宇高 徳子
  包囲してくる鴨のこゑ箸を割る        畳谷 智代
  立冬の富士くつきりと白重ね         太田 智子
  草履なふ授業のための今年藁         滝川 直広
  水鳥や木版刷りの大江戸圖          出井 孝子
  降りしきる落葉法然院暮るる         奥  良彦
     
     
     


記:寺島麻里 写真(c):長 晴子


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