例会トピックス 

あんず句会(藍生関西7月例会)

 (平成17年7月15日)
会場:曼陀羅山寂庵


主宰ご出句
ひぐらしや地に還りたき壷の数
  森閑とまひるとどろく一の瀧
              しづ
七月や鹿に囲まれゆく寂か
  きちかうの風鮮らしき元興寺
  松蝉やつぎつぎに発つひとりづつ

特選句
  蝉のこゑやはらかにゆきわたり 藤田 翔青






  かはせみを見て来しミシン一直線 河辺 克美
  老いの愚痴もうこぼすまじ大西日 藤平 寂信
  蝉しぐれ父に待たれてゐたりけり 橋本  薫
  どくだみや悔なきごとく過ごす日々 寺島 麻里
  仁王立ちして夕立を送りけり 植田 珠實
  蝉時雨止み塩鮭の焼け具合 井崎ユキ子
  かなへびの尾を切つてくる炎暑かな 橋本 榮治
  燈とぼしき社員食堂夏の月 滝川 直広
  月鉾や路地にむきあふ軒しづか 岡本 弘子
  家も木も蝉に好かれて古りにけり 太田 智子

一重丸句







  長刀に塩ふりまきて鉾立ちぬ 今阪 雅子
  暮れなづむ滋賀院に初蝉を聞く 藤平 寂信
  蝉を聴く人生に悩むとき 藤田 翔青
  旅に出て姉と選びし夏帽子 氏野 光子
  どう言ひつくろふも蟻の穴ひとつ 橋本 榮治
  夏の月しばらく誰も来ぬ道を 今井 わこ
  青田風胸いつぱいに呑み込みぬ 藤平 寂信
  どこまでも与へて寂し蝉の殻 七波 真理
  夜ふかしのときおり眺む月涼し 米田多美子
  夏の月母の法事を過(あやま)たず 大出 勝重
  みちのくの寺に馳せくる青田風 合田 圭希
  佛壇に奥行のある日雷 畳谷 智代
  夕焼やベルを鳴らしてをとこ呼び 河辺 克美
  ベトナムに続く千里の青田風 大出 勝重
  北国の雲低くゆく花野かな 奥  良彦
  青田風むかし神足邑(こうたりむら)といふ 出井 孝子
  梁の闇のしかかる夏蚕かな 橋本 榮治


記:洲崎展子  写真(c):洲崎展子


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