例会トピックス 

あんず句会(藍生関西5月例会)

 (平成17年5月20日)
会場:曼陀羅山寂庵


主宰ご出句
青葉木菟行基鉈彫観世音
  天台寺立夏の炭を継ぎにけり
  句座にあり青葉に冷ゆる句座にあり
  生返りひと若返る立夏かな
 

寂信さん
往きて還る嵯峨野の句座のまみどりに


*「観世音」の「世」はネット上の表記です。


特選句
  人は灯をつつしみてをり蛍川 永井 雪狼





  机辺めぐりて日の中へ帰る蜂 渋谷  澪
  山中に魚市の立つ立夏かな  本郷 熊胆
  夏立つや金泥の水乾きつゝ 合田 圭希
  何の樹といはず涼しき樹となりぬ 橋本 榮治
  坂多き町パンを買ふ夕薄暑 中村 昭子
  青葉木菟このままでよいこのままで 寺島 麻里
  とほくきて立夏の町に人力車 向井ゆたか
  草原に爺幼子夏来る 河村喜代子
  青葉木菟火を噴く山のとほからず 出井 孝子
  水中に眼をひらく今朝の夏 出井 孝子
  月明の島の牡丹をおもひつつ 原 真理子
  亀鳴くか寂庵といふこの浄土 滝川 直広
  急がねば故国の余花に間に合はず 藤平 寂信
  ばらばらばら黄ばら紅ばら庵主さま 横山 笑子
  薔薇に還る地球一周やつてのけ 藤平 寂信
  母の日や母の自転車買ひにゆく 氏野 光子
  京洛を東より入る端午かな 橋本 榮治

一重丸句




  皮膚すこし厚くなりたりはうれん草 植田 珠實
  クレヨンの匂ふ卯の花くたしかな 米田多美子
  月光をこぼしてゆるる牡丹かな 原 真理子
  青葉木菟啼いて病む兄睡りけり 中村 昭子
  卯の花のしづくこの世に在る証 茶谷 幸子
  緋牡丹ののち白牡丹崩壊す 原 真理子
  円空仏のほとりほうほう青葉木菟 今阪 雅子
  戻り来し母国やすでに夏に入る 藤平 寂信
  一握の遺灰卯の花くだしかな 安土八重野
  角までを鉦につきゆく祭かな 内山 森野
  嵐山立夏の橋を渡りけり 向井ゆたか
  蝙蝠の掠めてゆける耳熱し 宇高 徳子
  青葉木菟声にひるみし使ひの子 川勝 洋子


記:曲子治子  写真(c):長 晴子


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