例会トピックス 

あんず句会(藍生関西3月例会)

 (平成17年3月18日)
会場:曼陀羅山寂庵


主宰ご出句
春霰深草元政上人忌
  春霰春虹ついに発たれけり
  つくし煮て師に供へ父母に供ふる
  すすけたる修二会椿の一枝享け
  修二会果つ筆屋一心堂主人

特選句
  山茱萸や母を預けてかなしまず 横山 笑子





  まなうらに火の降りしきる夜の梅          
宇高 徳子
  春雨や火の枝のなごり枕辺に            安土八重野
  指の先透く寂光に鳥帰る               畳谷 智代
  たれも持つ生れの月日鳥雲に 橋本 栄治
  のりこぼしいくつつくればお水取 中村 昭子
  お彼岸の寂庵に来てわれ学ぶ            寺島 麻里
  ふるさとの島のかたむく鳥曇             妹尾 圭以
  水取や暗きを好む火屑みち
永井 雪狼
  北開く鏡の部屋の硝子瓶
河辺 克美
  加賀の夜を老いし桜と遊びけり
橋本 栄治
  船長のキャビンの窓の苜蓿 藤平 寂信
  鳥帰るブルーモスクに日は没ちつ 出井 孝子
  きさらぎや染師の享くるお香水
米田多美子
  鳥風や旅は身ひとつ頭陀袋
山陰 石楠
  艶紅の椿を廻る沓の音
今阪 雅子
  水取の闇を力に炎舞ふ
氏野 光子
  お水取遅れて闇に纏かれけり 合田 圭希
     

一重丸句






  若人の旅立つ日なり鳥曇
中村 昭子
  やはらかに子にさとさるる鳥曇 渋谷  澪
  雪解水つけて青菜の届きけり 茶谷 幸子
  春星や輝きそむる二月堂 田邉 閑雲
  節分草日矢ひとすぢにははのこと 三枝 桂子
  紅海で聞く東京は春の雪 藤平 寂信
  水温む酒蔵通り煉瓦館 いまい わこ
  かはたれの沫雪すがしお水取
米田多美子
  淡雪の熄んで月夜となりにけり
長  晴子
  鈴の音の遍路ころがし鳥雲に
三枝 桂子
  水取の闇に別火の生まれけり
奥  良彦
  中年の労働者なりつくしんぼ
梅田 昌孝
  春が好きお四国が好き旅鞄
億  みき
  日の暮の倭まばらに野火上がり
岡本 弘子
  春灯のひと間ありけり眠りけり 曲子 治子




記:永井 雪狼 写真(c):長 晴子、億 みき


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