例会トピックス 

あんず句会(藍生関西1月例会)

 (平成17年1月21日)
会場:曼陀羅山寂庵


主宰ご出句
あかつきのものみな氷る真珠庵 
  氷るもの氷りしのちの月の國
  いのちながしみじかし餅花の影
  寂庵の句座降りつつむ雪の音
  忘れむとして忘れはて雪女

特選句
  星ひかる地鳴りの夜の氷柱かな 竹内貴久枝





  人日や寂聴さんのお説教 藤平 寂信
  水の音冬の牡丹の静けさに 中村 昭子
  早く来て机並べし初句会 億  みき
  胎内の闇のくれなゐ寒牡丹  出井 孝子
  日脚のぶ常連となり押す扉 田中 櫻子
  寒牡丹長谷の御寺の紅わらべ  橋本 良好
  天空の水のしづけさ寒牡丹  畳谷 智代
  寒雷の一打一音夜の梁  畳谷 智代
  夜更より夜明のさびし寒の月 岡本 弘子
  元日や子にしたがひて何もせず 太田 智子
  一本の実生の樹なり日脚のぶ 曲子 治子
  兄の夢姉の情熱日脚伸ぶ 氏野 光子
  寒牡丹うつとりとして世に壊れ 井崎ユキ子
  電柱の高さに暮す日脚伸ぶ 田中 櫻子


一重丸句
  豚足を煮て白菜をぶつたぎる 本郷 熊胆





  風熄みし余呉の夜明けや草氷柱 永井 雪狼
  読み了る泰澄伝記日脚伸ぶ 畳谷 智代
  砕け散る濤音ちかき氷柱かな  篠田くみ子
  一月の富士一月のこころざし 今井 わこ
  生かされて戦なき国寒牡丹 永井 孔雀
  鳶は高く輪をひろげつゝ初比叡  永井 雪狼
  地の底の弔鐘ひびく吹雪かな 滝川 直広
  二日には南部雑煮を祝ひけり 藤平 寂信
  即かず離れず暮しけり寒牡丹 安田 和子
  寒餅の微塵にくだけちる記憶 滝川 直広
  初雪が降つてきたよと夜の客 佐渡寿美恵
  日脚のぶ街にふえたる伝導師 橋本  薫(大阪)
  もう山は見えず月光寒牡丹 三枝 桂子
  明るき家の真中から吹雪けり 植田 珠實
  大寒の水に眼を洗ひけり 大出 豊子
  寒牡丹長靴干してありにけり 向井ゆたか
  挽歌ともこの初雪のはげしかり 植田 珠實
  黒谷の御堂のあかり小正月 橋本 良好
  冬牡丹小さきものには小さき菰 寺島 麻里
  湖想庵とはあの辺り山に雪  佐渡寿美恵



記:寺島麻里 写真(c):長 晴子、億 みき


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