例会トピックス 

第149回 藍生4月例会

(平成16年4月18日)
会場:豊島区勤労福祉会館大会議室

主宰ご出句
人を焼くほのほはなびら海へ散り
 
  隠岐の花三井寺の花嵯峨の花  
  怺へきれずにはなびらの島を発ち  

特選句

  進み出でて花潔斎と致しけり 大矢内 生氣  
  日のかけら月のかけらの花残る 池田 誠喜  
  うぐひすに覚め潮騒にまどろみぬ 浅見 宏子  
  岩牡蠣を焼いて下さる銅鑼の音 山口 都茂女  
  還るべきみち蘇しき山櫻 大矢内 生氣  
  酒呑んで少し幸せ白つつじ 石川 秀治  
  花山に湧き遊具など軋み鳴る 植村 やよひ  
  花の隠岐おのれに遠く座すごとく 後藤 洋  
  蓋をして支那茶あふるる残花かな 有住 洋子  
  くにびきの神話の里の野焼かな 岩井 久美恵  
  蛇の衣財布にしまひ立ち去りぬ 田中 浩子  
  失職の夫に今年も豆の飯 石橋 玖美子  
  人待ちて夕方となるつつじかな 石川 秀治  
       

一重丸句

  窓あけて海も桜もひとつ闇 水巻 令子  
  島山に汽笛のこだま春夕 渋谷 澪  
  花冷や黄色い砂の砂時計 小松 勢津子  
  涼しげに釜炊きの塩摘まむ指 剣持 育代  
  藤の花つめたき雨のにほひけり 今野 志津子  
  花に沿ひ淡海奥まるところまで  二宮 操一  
  ひとつ買ふ佐保姫といふ名のケーキ 岡崎 弥保  
  静かなる春波音の重なるぬ 海老根 ヨシ子  
  春惜しむ青石畳磯こみち 浅見 宏子  
  吹かれてをるは木蓮か我が旗か 八木 實  
  蝶白し森深すぎることもなく 今野 志津子  
  花あれば月天心に朧なる 奥 良彦  
  風まぶしあすの若布を干すくらし 成岡 ミツ子  
  年ごとに我執はなるる花筏 中村 祐治  
  桜散る病みぬきし身をいとひつゝ  辻 久子  
  花を見ず子は木登りをはじめけり 井上 英子
 

記:後藤 洋


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