例会トピックス 

第147回 藍生2月例会

(平成16年2月8日)
会場:池袋芸術劇場大会議室

主宰ご出句
寒明くる應擧の孔雀夢に啼き
 
  立春の月こそまぶし響灘
  節分草墓山に降る星の数
 
 

特選句

  来る人や去る人やあり春の雪 半田 真理




  薄氷や雁皮三椏楮吊る 岩井 久美恵
  夢想するための古裂や針供養 木津川 珠枝
  寒の水錠剤一日十五錠 成岡 みつ子
  早春のはちきれさうな旅鞄 さとう かしこ
  五十年診し人逝ける春北風 村田 英尾
  牡丹雪海へずり落ちさうな町 栗島 弘
  ひらきつつ土曳きずりぬ福寿草 水巻 令子
  立春や迷ひ子に手をにぎられて 成岡 みつ子
  白梅にさみしくなれば紅梅へ 森田 正実
  菜の花の故郷に父病みにけり 本田 正四郎
  紅梅や大きな穴を掘りて焚き 田邊 文子
  花に包まれ人焼かれ冬夕焼 吉鶴 弥生
  梅の花とほくの町に雪が降り 今野 志津子
  戸を閉めて人の出てゆく梅の花 石川 秀治
  フライパン一つの青春寒卵子 村田 英尾
  一黒点となりに来し大枯野 寺澤 慶信
  限りある時のかぎりを冬牡丹 横沢 朝子
  日輪の月のごとくに雪解川 今野 志津子
  本館と旧館朧月まどか 有住 洋子
  犬の子に訪れたるは寒雀 安居 須美子
  里山に摘むそのひとの芹を買ふ 相田 マサ子
  待春や江戸のころより山ずまひ 成岡 みつ子

一重丸句

  嫁ぎ来し関東平野山笑う 飯倉 あづま  
  初芝居はねて浅草宵の口 江上 洋子
  梅の花朝より歩くことにして 新田 久子
  裏手から木を削る音梅の花 盛田 道子
  青空へどっと投げ込め野水仙 中村 祐治
  人間に手をひかれゆく追儺鬼 上村 章子
  ふくろうにつむじがふたつ二月尽 浅井 敏子
  もの食へる顔を撮り合ふ春の山 松葉 久美子
  寒の雨やさしきひとのこゑの過ぎ 久保 京子  

記:後藤 洋


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