例会トピックス 

第146回 藍生1月例会
(平成16年1月11日)
会場:池袋芸術劇場中会議室

主宰ご出句
去年今年触れて櫻の幹の数
  虎落笛いよいよ月の畳なる
  十一面観世音寒満月湖北
 
 

特選句

  朴葉一枚閉ぢこめてけさ氷りけり 寺澤 慶信  
  武蔵野の真只中に蒲団干す 岩井 久美恵  
  初護摩や鋼いちまい湖の凍 大場 敦子  
  冬木の芽雲は形をかへながら 渋谷 澪  
  正月の平たき道に迷ひをり 横井 定利  
  村中の大根干されてゐるらしく 新田 久子  
  短日の鴉が人の近くまで 栗島 弘  
  山眠る木彫ふくろふ子をつつみ 山口 都茂女  
  晴天の木守柿として老ゆる 今西 美佐子  
  木を燃やすにほひ紅梅ほころびぬ 有住 洋子  
  神道の飾り一剣奉る 大矢内 生氣  
  湖の涯吹雪けるなかに義仲寺も 中村 祐治  
  草を見て雲見て過ごす三ケ日 石川 秀治  
  水の輪の氷に触れてくづれけり 今野 志津子  
  寒卵手に港湾食堂の女 水巻 令子  
  臘梅の香に臘梅を寂しめり 山口 恭徳  

一重丸句

  初鴉蝋石色の海のうゑ 植村 やよひ  
  鐘撞いてきてあら玉の月明り 深津 健司  
  一叢の木賊一輪の冬牡丹 石川 秀治  
  白障子目覚むるときのさびしさに 田邊 文子  
  光年を枯野のなかにゐるばかり 有住 洋子  
  短命の家系なりけり初雀 安居 須美子  
  鉛筆けづる雪しづりと壁一重 栗島 弘  
  うつくしき文字の賀状を読みかへす 山岸 あき子  
  地に坐せばすべてに冬日あたりけり 伊藤 通子  
  天井に天道虫や冬籠り 名取 里美  

記:後藤 洋


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