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第二十一回 九月・愛知の藍生だより

写真・ 文:三島広志
介護の人々 Iさん 78歳 女 主婦 脊髄小脳変性症

 四肢の運動機能が消失していく進行性の病気だ。Iさんは夫と二人暮し。歩行器でかろうじて室内を移動している。そして家事をこなし、手芸で花や人形を作っている。明日の希望はない。淡々と今日を生きている。若者の明日は希望に溢れているが、高齢者の明日は不安に満ちている。それを見ないように暮すのがコツなのだろう。

丸々太ったスズメガの幼虫

 Iさんの庭のアカシヤにいたスズメガの幼虫。

   芋虫の黙の一生を食べ尽くす  広志
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