logo 藍生
logo AOI

第十五回 三月・長野の藍生だより

写真:河島博明・海野山椿
文:海野山椿
Unno Yamatsubaki:長野藍生は、今年から県内に残る中山道の宿場跡を、ひとつひとつ訪ねる吟行句会をはじめました。芭蕉が、一茶が、山頭火が歩いた街道を私たちと一緒に句会しませんか?
句会予定は海野山椿のホームページをみてね。

かなんばれ  (北相木村)
三月三日子供達が学校で作ったお雛様と願い事を書いた紙を一緒に相木川に流します。
一年生の願い事にはおばあちゃんの病気なおりますようにとか、おとうとがほしいです、とか書かれてありました。

   雪しろに押さるる雛よさかのぼり     良子
   一字は岩魚釣る川雛流す

御柱・山出し(生島足島神社)
御柱祭は山から神霊を里に迎えた古代信仰に由来する祭。行われるのは寅と申の年で七年に一度。
三月七日、氏子らが赤松の御柱八本をおんべこを振りさあさあおねげーだー、よいとよいとの掛け声に太綱で山から曳き出した。里曳き、建立の儀式は四月十七日から十九日の予定。
春寒の山坂に曳く木のかをり     山椿 

俳人・加舎白雄
上田出身の俳人加舎白雄は武家の出で、蕪村と同時代を生き、彼もまた芭蕉俳諧の
復興に生涯をかけた。

  ふるさとや梅に柳にはなしあり     白雄
  人恋し火とぼし頃を桜ちる
  しょうぶ湯やしょうぶ寄り来る乳のあたり


*写真はクリックすると拡大表示されます。
写真:(c)河島博明・海野山椿
文:(c)海野山椿


目次へ