最近大開発されて、昔(といっても、この前の戦争の後)の名残ナゾすっかりなくなってしまった品川駅東口。けれど、そこから南へ2・3キロ下ると、北品川から鮫洲辺りまで、まだ旧東海道がそのまま商店街として残っていて、橋の袂には、釣宿・船宿が点在しています。
この辺りは、震災で焼け出されて引っ越してきたらしいお寺が沢山あって、宗旨もさまざま。南品川の、国道をちょっと入った所には、いまどき珍しい時宗のお寺もあります。
国道の一本海よりの道路を、海岸通りというのですが、ここには、食肉市場、つまり堵殺場があります。荷台から鼻を覗かせたり舌なめずりしたりしながら、牛たちが、トラックに載せられて、時折門をくぐっていくのに出会ったりします。
東京の中心に、ご先祖様の国への大きな入り口があって、青山墓地といいます。
生前、各分野で活躍された方々とは、ここに隣接する青山斎場で最後のお別れをする仕組みになっています。その手前には、フツーの人たちのために、公営の「やすらぎの家」(だったかナー)もちゃんと用意されていて、心配するには及びません。
墓地の中央に、信号付きの立派な交差点があるのですが、このあたりは、花見の季節になると、夜店と人出で、たいそう賑わいます。ただ、賑わうのはその時ぐらいで、お盆といっても、夜はいつも通り、いたって静かです。
ここは、木陰が多いので、夏は、昼寝するためのタクシーで、場所争いになる所です。アイドリングは決してストップしません。薮蚊が多いので、生きるためには致し方ないのだそうです。
新宿の隣に、大久保と新大久保の駅があります。この界隈は、日本一の繁華街「歌舞伎町」と背中合わせになっていて、そのせいか、アジア系外国人が沢山暮らしています。その昔、小泉八雲が晩年をすごしたので、裏通りに入ると、ギリシャ風の記念公園があったりするのですが、それ以外は、アジア地域。質屋さんの看板も、教会の礼拝案内も(教会が実に多い所です)、ハングルやアラビア語で書かれていて、中には「日本語の通訳付き」を売りにしている教会もあるくらいです。
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