2004年7月藍生主宰句
衣更
黒田杏子
鬼房のこゑの塩竈櫻かな
肖像はフランツ・カフカ花の闇
前掛の阿部なをの掃く朝櫻
青梅一粒拾ひけり佃島
はなびらの高きをゆけり園城寺
緑雨滋し門辺の柏なかんづく
老人に端午の雨の冷えまさり
鈴の音のとほくに熄みぬ初鰹
大皿の料理卯の花腐しかな
更衣らうそくの芯剪りつめよ
白神や白蛇ゆっくりといそぎ
白神に旅の衣を更へにけり
遍路吟行第81番綾松山白峯寺
八白土星継続運気麦の秋
衣更へて西行像と濡れにけり
白峯の雨雲拂へほとぎす
6月
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