例会トピックス 

あんず句会(藍生関西10月例会) 

 (平成16年10月15日)
会場:曼陀羅山寂庵


主宰ご出句
山姥の石の机に赤とんぼ
  かんぬきを外せばあさぎまだら翔つ
  弟の姉呼ぶ秋の声であり
  あねいもとおとうとのこゑ月夜茸
          しつけ
山紅葉して躾とる藍木綿
 
   

特選句
  凭れられ凭れ鶏頭朽ちにけり 佐渡寿美恵



                 あきつ
生と死は同じ重さか蜻蛉とぶ
南浦 小糸
  一本の釘打って牧閉ざしけり 橋本 榮治
  作られし瀧の一すぢ冬ざくら 渋谷  澪
  稲妻や鏡の奥の常の闇 畳谷 智代
  早退の午後の秋風秋の風 橋本  薫
  秋袷ホーム白寿のおばあちやん 中川 恭子
  秋風を入れてしばらく留守にする 寺島 麻里
  小鳥来るやう寂庵に集ひきし 植田 珠実
  兄気弱おとうとひ弱秋の風 河辺 克美
  眼の前を何度もわたる秋の風 水谷 紀子


一重丸句
  とんぼうや妻を上座にすはらせて 橋本  薫

               うが
この秋の風に骨肉穿たるる
出井 孝子
  ていねいに振る塩胡椒台風裡 滝川 直広
  寂庵へ早く行けよと金木犀 梅田 昌孝
  わが町は水の町です秋刀魚焼く 横山 笑子
  とんぼうにうすき頭を見られけり 向井ゆたか
  本を売り服売り秋の空青し 氏野 光子
  ひやひやと部屋の真中に自在鉤 畳谷 智代
  柿好む子に二箱を送りけり 宮田 泰子
  尼ひとりいろなき風の峠越す 大出 豊子
  月の夜の耳の裏がはまで洗ふ 河辺 克美
  秋惜しむあさぎまだらの息づかひ 岡本 弘子


記:長 晴子 写真(c):長 晴子


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