例会トピックス 

あんず句会(藍生関西9月例会) 

 (平成16年9月10日)
会場:曼陀羅山寂庵


主宰ご出句
お四国の月光枕低うして
  阿波の月土佐の月よと年重ね
  月光のくまなき岬百度石
  月明や熊野大学校舎なく
      つぎつぎと人発たれ
八月の終るかなしき月満ちて
 
   

特選句
  身の底を乱す地震きし野分きし 河辺 克美



  月光にひらく花また朽ちる花
出井 孝子
  十五夜のくまなく照りぬ竹生島 永井 雪狼
  新月や子は宿題の笛を吹き 岡本 弘子
  恍惚の人と仰ぎぬ後の月 中村 昭子
  野分来る生家に古き写真立 曲子 治子
  一抱へもあるよ地平の月鬱金 藤平 寂信
  月天心村は豊かになりました 向井ゆたか
  月満ちて星の林に子を隠す 島田  勝
  月渡る大地の揺れてゐたりけり 宇高 徳子
  月の道一人に一つ楽器持ち 畳谷 智代
  いなびかり静かに水を飲むカナリヤ 植田 珠実


一重丸句
  いつの間にひとりとなりし十三夜 今井 わこ




  邯鄲のこゑのとぎるる人の闇 篠田くみ子
  白萩のやさしさ映る地べたかな 梅田 昌孝
  屋根師きて土足してゆく厄日かな 太田 智子
  妣を恋へば高野深山の月しづく 永井 孔雀
  月光に発ちし夫恋ふひとりの夜 南浦 小糸
  朝焼のくまなき盆地厄日なる 米田多美子
  合歓の花祭りでありし蚶満寺 斎藤  勉
  松茸に韓国の土付いてきし 河村喜代子
  村おこしとて秋鯖の姿焼 佐渡寿美恵
  お四国の風を歩きぬけふの月 竹内貴久枝
  子規庵の濡れそぼちたる草の花
長  晴子
  秋鯖の皿は備前と決めてをり 藤平 寂信
  傷つきし大地へそろと今日の月 滝川 直広
  桃太郎浦島太郎夜の長し 今井  豊
  糸瓜忌の小雨地面を濡らしゆく 水谷 紀子
  ふとん丸洗ひ工場今日の月 橋本  薫


記:長 晴子 写真(c):長 晴子


戻る