例会トピックス 

あんず句会(藍生関西7月例会) 
 (平成16年7月9日)
会場:曼陀羅山 寂庵

主宰ご出句
隠岐の塩与那国の塩雲の峰
  法金剛院蓮の白さの蒼きまで
                     かめはちす
小倉山常寂光寺甕蓮
           きそさんせん
星合の木曽三川を渡りきし
  観蓮會法金剛院白蓮
 
   

特選句
  雲の峰貫いてゆく曽我ひとみ 藤平 寂信







  草矢打つ剃髪にゆく少年に 畳谷 智代
  雲の峰ひとりの道をひとりゆく 宇高 徳子
  かはたれのかなたへくぐる青茅の輪 河辺 克美
  わが影の中へ中へと蓮閉ぢる 妹尾 圭以
  茄子焼くやちりちり幸をもてあまし 河辺 克美
  焼きなすび冷やしてあると書きにけり 岡本 弘子
  銀漢や孤愁の果の金島書 瀬戸内寂聴
  初蝉の声のかなたを共に見し 寺島 麻里
  姉にまた逢ひたくなりぬ雲の峰 梅田 昌孝
  同行二人ひとりひとりに雲の峰 三枝 桂子
  茄子汁ひとり暮しの五十年 大出 豊子
  七月や舞妓さざめく橋の上 今井 わこ
  峰雲のみえぬ炎に炙らるる 宇高 徳子
 

    曽我ひとみさんに
待ち待ちしの中まで天の川

 
瀬戸内寂聴
  共産党よと言ひ放ち茄子焦がす 植田 珠實
  雲の峰越えて遍路の鈴を振れ 三枝 桂子
  短夜の夢に問ひたきこと問へば 橋本  薫
  くわんおんの湖へ一燭雲の峰 出井 孝子
  約束はなし夕虹の見あたらず 橋本  薫
  老女来て冷たきビール供へけり 洲崎 展子
  老いてゆく遠き花火は独り見る 瀬戸内寂聴
  緑陰といふ簡単な罠なりき 滝川 直広
  菅笠の風音ばかり蓮の花 竹内貴久枝


一重丸句
  峰雲や虚子の系譜の端つこに 向井ゆたか

  有明の大河みよとて蓮の花 横山 笑子
  添へられし文は一行さくらんぼ 宮田 泰子
  大往生知るや知らずや雲の峰 宮田 泰子
  薬師寺の大甕に咲き白はちす 長  晴子
  雲の峰一島一市砦跡 大出 豊子
  夫の持つ団扇の裏の舞妓の名 今阪 雅子
  燕の子もう利かぬ気で利かぬ気で 安土八重野
  憎しみを雲の峯にあづけませんか 河村  充
  逆立ちも恋も遥かよ雲の峰 松川 ふさ
  葉桜のやうに立つてはみたものの 植田 珠實
  あんず煮る夕日煮つめてをりにけり 宇高 徳子


記:田邉閑雲 写真(c):億 みき


戻る