例会トピックス 

あんず句会(藍生関西5月例会) 
 (平成16年5月21日)
会場:曼陀羅山寂庵

主宰ご出句
白神の月のひかりに朴の花
  ことごとく楓樹ことごとく新樹
  嵯峨祭巡幸略図青嵐
  北限の越路に新茶いただきぬ
  青嵐澤瀉鉾は剣鉾
 
   

特選句
  海老蔵のにらみ凛々新樹光 瀬戸内寂聴







  寂庵の低き茶の木の新芽摘む 瀬戸内寂聴
  加茂川のとび石跳んでゆく祭 宇高 徳子
  鴨川をゆつくりわたる祭かな 向井ゆたか
  片陰を帰りゆくなり祭牛 渋谷  澪
  老鶯の月の出までを啼きにけり 篠田くみ子
  この世またひとり眺むる祭かな 寺島 麻里
  紬織るひとと紺屋と新茶汲む 出井 孝子
  花は葉に献氷祭の幟立つ 井崎ユキ子
  賀茂祭賀茂街道にひざまづき  太田 智子
  業平の邸跡過ぐ加茂祭 出井 孝子
  攻め入りてきし十薬の庭となり 佐渡寿美恵
  アユタヤを目指す御座船祭かな 大出 勝重
  朴の花天涯におくこころざし 曲子 治子
  青空へ漕ぎゆく車輪朴の花   河辺 克美
  霧にかくれて泣けといふ朴の花 松川 ふさ


一重丸句
  どの声も置き去りにして青嵐 井上美保子




  四五日は休み糶小屋卯月波 横山 笑子
  芍薬の蕾ばかりを父に挿す 井崎ユキ子
  朴咲くやこの世の端の立ちばなし 安土八重野
  雨雲のぐんぐん育つ朴の花 畳谷 智代
  さからひてのちしたがひて滝の道 井上美保子
  やがて散る厚朴にしぐれのかそけしや 三枝 桂子
  岬まで道いつぱいに祭の子 今井  豊
  シャボン玉森へ森へとシャボン玉 井崎ユキ子
  金魚めだか鳥猫夫と別の棟 河辺 克美
  ふつくらとすげて祭の鼻緒かな 岡本 弘子
  門ごとに水の香葵祭かな 茶谷 幸子
  休日の夫になんども新茶汲む 橋本  薫(大阪)
  わが妻のみどりご産みし日の新茶 滝川 直広
  しづかなる看護学生夏木立 今井 わこ
  もてあます心を糧に朴の花 水谷 紀子
  水の音新緑の音誰か来る 井上美保子
  新茶淹れてそろそろ此処だけの話 畳谷 智代
  水出しの新茶いたゞく茶摘みあと 億  みき
  水棄てゝ花師去りゆく祭あと 出井 孝子
  一合の米一合のえんど豆 河村喜代子


記:寺島 真理 写真(c):億 みき


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