例会トピックス 

あんず句会(藍生関西4月例会) 
 (平成16年4月16日)
会場:曼陀羅山寂庵

主宰ご出句
寂庵の花の名残に間に合ひし

花の写真はクリックすると拡大表示されます。
  はなびらのふと天上をめざしけり
  天を仰げばはなびらの天に舞ふ
  牡丹芍薬海棠桜寂庵に
  雪解けの花の御堂を天台寺
 
   

特選句
  合掌のタイの挨拶花御堂 大出 勝重











  春愁や鯛の鱗の反り返り 曲子 治子
  まどろみてをれば葉桜とはなりぬ 米田多美子
  つばくらや琉球絣水を織り 宇高 徳子
  寂庵の花御堂へと馳せ参じ 藤平 寂信
  古希といふ駅過ぎにけり飛花落花 井崎ユキ子
  散りながら桜月夜となりにけり 篠田くみ子
  夫の忌の桜づくしの夜となりぬ 太田 智子
  旅ごころさくら吹雪の中に置く 三枝 桂子
  おごそかに勧学院のさくらかな 永井 孔雀
  雲雀野のここ寂庵の仏達 金子 恵美
  夜の櫻一目散にかへりけり 河辺 克美
  銅鐸の響きのおぼろ花おぼろ 中村 昭子
  散る桜縁解かれてゆくやうに 洲崎 展子
  花吹雪生まれし島をつひに出でず 瀧川 直広
  花御堂惜しむでもなく別れ合ふ 水谷 紀子
  夢は見ないしだれ桜のきらきらと 田中 櫻子
  花吹雪をとこ二度哭くこともある 安土八重野
  底知れぬ朧をつめし旅鞄 瀧川 直広
  人声のとどかぬ山の桜かな 大西 隆博
  襖絵にとどいてゐたる花明り 南浦 小糸
  花埃混ぜて大阪のたこ焼 橋本  薫
  食み残す尾鰭貝殻街朧 米田多美子
  おぼろ月天心にして揺れやまず 篠田くみ子
  朧夜のいろ塗りかへし箱の中 河辺 克美
  満月としだれざくらのかの世かな 中村 昭子
  春愁やいつも手にある鍵ひとつ 河村  充
  ずぶ濡れでことほぐタイの花御堂 大出 勝重
  ながれぼとけに波寄する松の花 出井 孝子
     


一重丸句
  小鼓をさらふ音色の朧かな 宮田 泰子





  庵主さま全快されし花御堂 佐渡寿美恵
  海牛の味確かむる島おぼろ 出井 孝子
  父の山母の湖鳥帰る 米田多美子
  きかぬ子の喧嘩はじまる花御堂 出井 孝子
  熊ん蜂常寂光寺鐘おぼろ 田邉 閑雲
  二人分自給自足の豆の花 永井 孔雀
  花あびて孔雀ひと声三井の寺 永井 孔雀
  苗代を守りて空耳三井の鐘 永井 孔雀
  影朧青華吹墨四方皿 今阪 雅子
  巡礼のごとく人ゆく花の山 大出 豊子
  松の花女人の法衣干されある 大出 豊子
  鳧の声美しくかなしく花曇 河村喜代子
  理髪師と農婦の話す夕おぼろ 本郷 熊胆

  写真はクリックすると拡大表示されます。

記:長 晴子  写真(c):億 みき・長 晴子


戻る