例会トピックス 

あんず句会(藍生関西3月例会) 
 (平成16年3月19日)
会場:曼陀羅山寂庵

主宰ご出句
鈴の音の汀に添へる初桜
  奥美濃の奥飛騨のその花だより
  東京の初花京都花いまだ
  三月の十八日の初桜
  篠田桃紅近作書展花篝
 
   

特選句
  白鳥のかたちとなりて風の来し 植田 珠實







  よく見れば蝶もとんぼも涅槃図に 河村 喜代子
  春水のこゑもながれてをりにけり 今井 わこ
  春雪の近江に人を訪ねけり 今井  豊
  御衣黄の町御衣黄の桜餅 滝川 直広
  いかなごのくぎ煮供ふる願ひごと  田邉 閑雲
  花を訪ふ胸底に棲む母を連れ 永井 孔雀
  花冷の夜の火の加減塩加減 渋谷  澪
  菜飯炊く電燈色の月のぼり 河辺 克美
  はくれんやそつと置かるる赤ん坊 宇高 徳子
  春曉や焼け差しいただくお童子に 中川 恭子
  おとうとに十年会はずさくら咲く 太田 智子
  春浅き駅ちりめんの小座布団 佐渡 寿美恵
  魚焼くけぶり至れり茎立てる  出井 孝子
  おぼろなるすきますきまを鳥のこゑ 河辺 克美
  流氷の浜の駅舎の窓曇り 曲子 治子
  おにぎりは菜飯戦跡めぐりけり 佐渡 寿美恵

一重丸句
  茎立や恋も化粧もふつつかに 寺島 麻里



  春動く玉三郎の留拍子 宮永 麻子
  茎立の上を漁船の流れけり 妹尾 圭以
  すれ違ふ人にも風のあるおぼろ 渋谷  澪
  白椿ナイフは下におきませう  植田 珠實
  梅東風のほぐしゆくものなにとなに 米田多美子
  いよいよに妻の菜飯のなつかしく 藤平 寂信
  茎立のみんな抜かるる飛行雲 中村 昭子
  菜飯炊く四軒路地に井戸ひとつ  出井 孝子
  青菜飯ほろほろ玉子まぜ合はせ 宮永 麻子
  地図帳に延びる山脈鳥帰る 氏野 光子
  初花の十六夜櫻とはあはし  米田多美子
  北窓を開く衣笠山まぶし 太田 智子
  また来るねくるねと木霊春の水 角谷 彩子
  頬寄する天鵞絨のごと春の闇 滝川 直広
  くくくくと茎立ちにけりおらんだ菜 角谷 彩子
  攻め窯の炎となりぬ初ざくら 永井 雪狼




記:田邉 閑雲  写真(c):橋本 半風子・長 晴子


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