例会トピックス 

あんず句会(藍生関西2月例会) 
 (平成16年2月20日)
会場:曼陀羅山寂庵

主宰ご出句
新刊の書のぞくぞくと雛飾る
  しばし座す日の寂庵の雛の間
  雛の間のひとりひとりに朝日さす
  うぐひすの啼く寂庵の古雛
  あたたかし寂聴先生雛の間に
 
   

特選句
  春寒や波辺のごとき郭跡 たかぎち ようこ




  残雪の正午を指しぬ花時計 中村 昭子
  急がずに休まずにゆく蕗の薹 宮田 泰子
  骨壷のかろし薄紅梅一輪 三枝 桂子
  比良ばかり雪のこしけり座禅草 中川 恭子
  臘梅のこの香は人をうらぎらぬ 妹尾 圭以
  四捨五入して七十や梅の花 斎藤 秋声
  西行忌バレンタインチョコ奉る 瀬戸内 寂聴
  寂庵にしばらく座して雛の間 新田 久子
  寂庵に左近のさくらあふれ咲く 渋谷 澪
  ありがたや眉山に残る雪知らず 岡村 藍
  奈良坂に結はへなほして修二会竹 米田 多美子
  落飾ののち茫茫と雛飾る 瀬戸内 寂聴
  残雪の決してなまけてゐるでなく 滝川 直広
  武闘派のむかしは知らず梅白し 今井 豊
  梅田お仕事優先水も温むはな たかぎち ようこ
  かぎろへる方に何かに急かさるる 宇高 徳子
     

一重丸句
  暖かや石屋の子供石に座し 畳谷 智代



  雛飾る母になかりし六十代 米田 多美子
  残雪や楽譜の裏の覚え書 橋本  薫(大阪)
  老いたれば梅もまばらに咲くものか 佐藤 静江
  節分の豆に打たれて睡らんか 洲崎 展子
  襲名の便りを聞くや梅開く 松井 新七
  残雪の大江の里に住みしこと 太田 智子
  黄の椿植物園に咲くといふ 河村 喜代子
  三寒の申股四温の七分袖 橋本  薫(大阪)
  きさらぎの映らふとせぬ鏡かな 河辺 克美
  しばらくを男雛女雛と和めけり 中川 恭子
  寂庵に初音うぐひす普門品 瀬戸内 寂聴
  一つ落ちひとつふくらむ椿かな  河村 喜代子
  父の娘か母の娘か朧 橋本  薫(大阪)
  屈身をひとりでいたす春の暮 たかぎち ようこ
  雪の果往生際の悪きわれ 水谷 紀子


記:寺島麻里  写真(c):億 みき


戻る