例会トピックス 

あんず句会(藍生関西1月例会) 
 (平成16年1月16日)
会場:曼陀羅山寂庵

主宰ご出句
寒稽古嵯峨野僧伽に正座して
  臘梅の雪をかむれる香なりけり
  素心臘梅一枝初花奉る
  堀川通り五条下ル寒念佛
  寒行の提灯の列山下る
 
   

特選句
  瓶中に酒炉には灰除夜の鐘 藤平 寂信





  むかしから咲く臘梅が咲いてをり 横山 笑子
  臘梅の香を運びくる微笑佛 田邉 閑雲
  寒稽古青年の矢に射られけり 佐渡寿美恵
  出しもせぬ手紙したたむ寒の入 水谷 紀子
  放りたる妻の座嫁の座仏の座 曲子 治子
  寒鴉もの抛り出すごとく啼き 滝川 直広
  老婦人むじなの如く眠りけり 今井  豊
  ひたぶるに待ちし夜もあり雪杳く 瀬戸内寂聴
  子を捨てし悔重ねつゝ雛飾る 瀬戸内寂聴
  寒晴の青たえまなくあらたまり 滝川 直広
  湖眺めつゝ寒餅をあぶるなり 藤平 寂信
  ともしびを七日供養や寒遍路 永井 孔雀
  糶のこゑかもめの糞も氷りけり 今井  豊
  月匂ふかに臘梅の暮れゆく香 渋谷  澪
  臘梅に触るる月光に触るるごと 出井 孝子
  オイスターレモンあつさり別れきし 安土八重野
  寒晴や用事あるごと家を出て 畳谷 智代

一重丸句
  東京が好きで初富士また越ゆる 太田 智子



  つゝがなくとも言へねども寒を越し 角谷 彩子
  火の種を湖におとしぬ義仲忌 植田 珠実
  寒禽や捨ててふるさと四十年 永井 孔雀
  元旦や閻魔の使ひ追いかへし 今井  豊
  捨菜屑氷の上にこほりけり 畳谷 智代
  一献に嵯峨の寒気のやはらげる 茶谷 幸子
  日輪を鏡としたり霜の花 宇高 徳子
  底知れぬ柩の重さ冬の虹 州崎 展子
  雪うさぎ一日人に会はざりし 田邉 閑雲
  寒に入る母に電話をかけ申す 金子 恵美


記:長 晴子  写真(c):億みき  橋本 半風子


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