例会トピックス 

第140回 藍生3月例会
(平成15年3月9日)
会場:芸術劇場中会議室

主宰ご出句
涅槃図の奥の火のこゑ水のこゑ
  丹頂の鶴のあゆめる涅槃通夜
  根榾継ぐ明恵のこゑの立ちあがり

特選句

  春めくや欅に遠く二十日月 安達 潔


  戦争の近づく島の雛飾 水巻 令子
  啓蟄や旗掛けしごと夕焼けて 寺澤 慶信
  山寺の余寒の岩を仰ぎけり 岩井 久美恵
  紅梅やはるか遠くに弓の的 石川 秀治
  みなれたる写真に供ふ雛の菓子 中村 祐治
  初桃の花そのこともけふのこと 大矢内 生氣
  ふきのたうきのふは人を弔ひて 栗島 弘
  底紅の闇へと雛納めけり 小松 勢津子
  濡れてゐる鳥より濡れて猫柳 今野 志津子
  有明の真綿のごとき弥生かな 深津 健司
  男老ゆこの世老ゆ木五倍子咲く空 山口 都茂女
  春浅し思ひつめては針仕事 木津川 珠枝
  亀鳴くや身ぬちのたれか応ふなり 大谷 弘至

一重丸句

 
  禍事も吉事もあらた百千鳥 湯町 浩子

  春燈や仮面をつけて老淑女 水巻 令子
  雁帰る真下の湖の辺に住みて 中島 千鶴子
  紅梅やすっと墨吸ふ筆の先 石川 秀治
  薄氷の離れもせずにうすれけり 山口 都茂女
  ひとり来て舞台をつくる梅の下 中村 朋子
  観梅や家族のなかの母であり 田邊 文子
  留袖の包み抱え来春一番 原田 桂子
  春の鴨鳴けば真昼の重くなる 今野 志津子


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