例会トピックス 

第139回 藍生2月例会
(平成15年月12日)
会場:芸術劇場中会議室

主宰ご出句
通夜の座に幾夜侍りし一月や
  冬麗のいくたび拾ふ人の骨
  永き一月お骨上げ句を献じ

特選句

  受験子の机おだやかすぎるとも 田川 研一
  日々はるか日々を身近かに寒夕焼け 後藤 洋
  きのふよりけふ三椏の蕾かな 今野 志津子
  立春に尋ぬる家の灯あり 半田 真理
  鬼の豆尽きて静かや年男 高橋 由枝
  幻聴の大きな冬を惜しみけり  藤井 正幸
  冱つる夜の哀しからざり絵らうそく 有住 洋子
  大空を鳥ゆきかへる遅日かな 寺澤 慶信
  節分草その花ほどの日のひかり 中村 祐治
  太陽と月むかひ合ふヒヤシンス 有住 洋子
  なにか壊れてつきささる霜柱 岩谷 美津子
  きさらぎの空あの窓もこの窓も 新田 久子
  男手の橙飾る蔵ごとに 村田 英尾
  大寒の平たき町をぬけにけり 栗島 弘
  ヒヤシンスいちにち夫と諍はず 石橋 玖美子
  白鳥の飛来地に売る葱の束 糸屋 和枝
  立春の夜の入り口月繊く 鎌田 ゑり
   夜をかけてしぐれけり四枚の雨戸 栗島 弘
  人は死ぬ生きる不自由名草の芽 山口 都茂女
  水鳥の触れてゐて触れ合ひはせず 小木曽 仁子

一重丸句

 
  立春の仏のまへにまろびけり 本田 正四郎

  きゝかへす母の口ぐせ雪の夜 新井 靖子
  針供養繕ひ物も儀式めく 中島 千鶴子
  風花や誰にも逢はぬ多賀の柵 小久保 顕
  葦の矢を短くつがへ鬼やらふ 今野 志津子
  有明や柱の軋む久女の忌 木津川 珠枝
  満開の床屋の前の濃紅梅 横山 笑子
  寒晴の芝替へはじむ匂ひかな 田中 浩子
  寒月のことに南部の竹騒ぎ 後藤 洋
  蛇穴を出てたれか吸ふ煙草かな 松葉 久美子
  梢は二月かやの木もならの木も 上村 章子


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