aoilogo  2003年10月 藍生 主宰句
紅葉世界
黒田杏子



夏炉焚く気仙沼港魚町
陸前の沖を地震くる土用かな
気仙沼まで梅雨霧の廻り道
このあをき寒き土用の海の霧
夜の更けて地震の鎮まる西瓜かな
露の世のピストル龍馬三十三
盆過ぎの濤音句友みな若し
野分立つ龍馬の手紙長し長し
の小野花につどふおのづから
八月の終るステンドグラスかな
七日町までぶらぶらと処暑の月
淡海のこの世に秋の深みけり
鐘撞いてあふれて紅葉世界かな
みづうみといふ月光の涙壷
の道杣道朽木柞道


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