夏至の闇黒羽の闇ほたる待つ
水音のこの世に乱れ青螢
黒羽や夏至のほたる火無尽蔵
ほたるの夜橋過ぎてゆくひとばかり
螢火の噴井の宿でありにけり
ほたる火のとほくに遊行柳かな
ほたる火や案内の女人足迅し
ほたる籠明滅母の文机に
かち渉るべく兄に蹤く螢川
ひとりづつ発つ夕螢あふれしめ
夏至の闇ほうたるの闇降りやまぬ
なつかしき雲巖寺道初螢
ほたる火やはせをの快楽卍なす
神棚にひととき夏至のほたる籠