aoilogo  2003年5月 藍生 主宰句
卯波とどろく
黒田杏子



死顔のかくもちいさき百千鳥
恋深き柩に釘を初桜
白魚も田螺も別れ惜しみけり
真砂女的人生春の虹二重
涛音の花待つ闇を発たれけり
働きて詠み生きて書く愛朧
神仏にすがらぬ花篝高く
はるかなる卯浪とどろく柩閉づ
荒東風や女人往生大往生
お彼岸の鐘が鳴ります真砂女さん
遍路一人土佐に入る初桜
春の蚊の出そめし母の机かな
つぶあんの古印最中や山焼く日
逝く春を辻村史朗旅茶碗
雛の間月山の闇流れけり


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