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第四回 四月・大阪の藍生だより

写真と文:長 晴子さん
Osa Haruko:50歳で俳句と出会う。主宰のあんず句会に入会し俳句を学ぶという機会に恵まれた。三十三観音吟行で、吟行の魅力に取り付かれる。三十三観音吟行全出席。俳句をはじめると同時に姉の提案で、姉・母・私の三人で俳句通信をはじめる。兄、従姉妹、友人の参加を得て、「満天星」と名づけ、毎月月末に発行。現在160号まで発行。藍生創刊と同時に入会。大阪の勉強句会「すきやねん藍生」の事務局を担当。また、02年4月からあんず句会の世話役も引き受けている。

すきやねん藍生「花の吉野山吟行」
すきやねん藍生は四月六日、桜の吉野山吟行を実施しました。
さすがに花便りが発表されはじめての吉野山は人、人、人、で埋まっていました。前日の雨とはうってかわって、透き通るような真っ青な空に下千本の桜が開きかけけぶるような風情は心にしみました。金峯山寺の妙法院をお借りしての句会は参加者八人と欠席投句一人といつもよりはやや少ない参加者でしたが、新しく佐柳恵美子さんを迎えてきもちのいい句会ができました。
この日の句を紹介します。
金峯山寺の妙法院
懇々と桜樹海の湯舟かな
花の扉を開けねばならぬ水の鍵
うちふるへたるしろやまざくら空のあを
風のこゑ花のこゑああ吉野かな
息をとめれば時間も止まるさくらかな
花冷を無口な人につきゆけり
深吉野の一花の下に祈りけり
思ひ出を選んで眺む春の空
花を見て花に見られてゐる私
寺元廷美
井崎ユキ子
長晴子
三枝桂子
たかぎちようこ
永田圭子
杉田百合代
佐柳恵美子
向井ゆたか
花の吉野山
花の吉野山
春眠や見知らぬ町の現在地
春風に弄ばれて発熱す
花明り千夜一夜の物語り
ボールペンころがり春の谷間へと
春昼の猫と話をするをんな
踏みまよふさくら迷路のよしのかな
日当りのよろしきところ山桜
あたらしきひと迎へたる花の句座
花筵アンパンマンでありにけり
寺元廷美
佐柳恵美子
井崎ユキ子
たかぎちようこ
永田圭子
三枝桂子
杉田百合代
長晴子
向井ゆたか



*写真はクリックすると拡大表示されます。(「句会風景」を除く)
写真、文:(c)長晴子



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