例会トピックス 

あんず句会(藍生関西7月例会)  
(15年7月18日)
会場:曼陀羅山寂庵

主宰ご出句
お別れのさみだれ萩を括りけり
  梅雨の蝶つぎつぎとくる微笑佛
  らふそくを新しくして夜の秋
  あだし野の炭熾りたる青しぐれ
  兄の吊る母の風鈴鳴りにけり
 
   

特選句
  寂寞と昏れ正倉院月見草 南浦 小糸




  梅雨明けの近き嵯峨野のしづけさや 半田 真理
  髪洗ふ人の匂ひを消す夕 中村 昭子
  裃の涼し杉本秀太郎 鳥井 月清
  鉾立の縄一尺を貰ひけり 今阪 雅子
  髪洗ふ術後やうやく許されて 藤平 寂信
  寂庵にきし勘九郎七変化 横山 笑子
  垂直の長方形の滝涼し 斎藤 秋声
  全山の谺あつめて滝落つる 長  晴子
  室町や四条や鉾の立ち始む 安土八重野
  明易の松煙墨の香に眠り 曲子 治子
  両の手の空いてしまひし夕焼かな 河辺 克美
  月見草あはれをとこは夢をみる 今阪 雅子
  老鶯の声むらさきに濡れてゆく 井崎ユキ子
  いくたびも滝をうしろに身構へし 井崎ユキ子
  髪洗ふ真昼落人めくやうな 曲子 治子
  蟇生者また死者やかましく 植田 珠実
  あかときのみづのちからや髪洗ふ 米田多美子

一重丸句
  木々の声青水無月の仏師かな 原槙 恭子


  巡行を見てきし髪を洗ひけり 
長  晴子
  梅雨寒や豆腐沈みてゆく嵯峨野  半田 真理
  諍ひのたね尽きてきし茄子漬くる 河辺 克美
  山深く瀧つ瀬ひびくひたむきに 瀬戸内寂聴
  青竹を伐りて噴井を祀りけり  鳥井 月清
  屏風絵の滝一丈のしぶきかな   小林 澄子
  なにがなし聴いて初なりしかな  岡本 弘子
  雨の老鶯寂庵にしみじみと    宇高 徳子
  人の世の音なく暮るる大暑かな  篠田くみ子
  瀧音のたゞおそろしき峡の家  松川 ふさ
  鍋島緞通をずしり敷きつめ鉾祭 米田多美子
  あした伐る木に初の生まれけり  篠田くみ子
  その奥に滝を落して霧深む  三枝 桂子


  記:寺島麻里 写真(c):億みき 長晴子


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