例会トピックス 

あんず句会(藍生関西5月例会)  
(15年5月16日)
会場:曼陀羅山寂庵

主宰ご出句
葦の葉のあをき粽も伊吹島
  ちちははの大往生の粽解く
  寂庵のたかんな冷と申すべく
  芍薬の八十一花宝珠解く
  八十と一歳葵まつりかな
 
   

特選句




  沈黙も黴も身の内雨上る 曲子 治子
  夢の世の旅の終りを新樹抱け 瀬戸内寂聴
  ぼうたんのかたちに生きて何かせむ 高橋 由枝
  しづかなる家しづかなる夜の新樹 太田 智子
  風の香や新樹寂庵ひとしづか 三枝 桂子
  小倉山ふもとへけぶる青葉冷 米田多美子
  蝶来たり牡丹開く日は頭上 瀬戸内寂聴
  襖絵は抽象庭の白牡丹 松井 新七
  ぼうたんを愛づる齢に近づきぬ  寺島 麻里
  ぼたん崩るる真白きは雨の蝶 森光 梅子
  比良比叡雲のかなたにさみだるゝ 藤平 寂信
  会釈して同じ牡丹を見てをりぬ 小林 澄子
  三宝に粽飾りてひとり解く 太田 智子
  水嵩を覗くあたりの新樹かな  出井 孝子
  あらびやの戦火は熄みぬ白牡丹 瀬戸内寂聴

一重丸句
  鉄線花夢も希望も見失ひ 藤平 寂信



  緑陰に読むサリンジャー春樹訳 安土八重野
  もの焚いて新樹くまなく烟らする 宇高 徳子
  緋牡丹や惚れた腫れたは他人ごと 高橋 由枝
  開拓のひとり暮らしの白牡丹 斎藤 秋声
  戦争を忘れし人等風光る 植田 珠実
  あかあかと花芯のいのち白牡丹 瀬戸内寂聴
  白黴青黴鈴を鳴らせば家人来る 安土八重野
  青田風丹波丹後と水分れ 佐渡寿美恵
  豆腐屋のとなりの粽買ひにけり 今阪 雅子
  一村の筍を煮る匂ひかな 植田 珠実
  山かぶさり来苗代寒とおもふ 宇高 徳子
  やはらかくひらく牡丹押しあへる 宇高 徳子
  ぼうたんの花屑といふ袋詰 松川 ふさ
  狭庭にも風のはしれる茂りかな 長  晴子
  なにもかもこのぼうたんにまかすべく 今井 わこ


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