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| あんず句会(藍生関西3月例会)
(平成15年3月14日)
会場:曼陀羅山寂庵 |
| 主宰ご出句 | ||
| あたたかし寂庵の樹々あたたかし |
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| 花を待つこころに棲める樹々の数 | ||
| 辿ること巡ること世の朧にて | ||
| 塩田の記憶まぶしみ遍路婆 | ||
| 酒仙学者桐雨遺句集花篝 | ||
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(桐雨とうう=暉峻康隆てるおかやすたか先生の号)
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| 特選句 | |||
| 気まぐれの春雨やまぬ先斗町 | 中村 昭子 | ![]() |
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| 春霖の辞書引けば古語あまたなり | 南浦 小糸 | ||
| 春雨や鳧鳴き叫ぶ桑畑 | 河村喜代子 | ||
| 星の数飢ゑし子の数彼岸西風 | 松川 ふさ | ||
| 信号の光水平ぼたん雪 | 内山 森野 | ||
| さくらさくら父母を追ふ夫を追ふ | 太田 智子 | ||
| 風花や山の向うの暗き海 | 内山 森野 | ||
| 光晴の指紋墨痕彼岸冷ゆ | 出井 孝子 | ||
| 鶯のいつまで啼くやわれを責め | 篠田くみ子 | ||
| 朧夜の山より降りてくる灯 | 岡本 弘子 | ||
| 春の雨囮となりぬこの家に | 植田 珠実 | ||
| 春雨に別れの顔を打たせけり | 大出 勝重 | ||
| 塩味もその葉も薄し桜餅 | 瀬戸内寂聴 | ||
| むかしむかしみそかごとありさくらもち | 瀬戸内寂聴 | ||
| 一重丸句 | |||
| 久々のひとりの旅の桜餅 | 金堂 豊 | ![]() |
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| 春の雪あなたをつつむオブラート | 河辺 克美 | ||
| 春雪や新橋に寿司買ひにゆき | 安土八重野 | ||
| 寂庵に閂春の風の訪ふ | 三枝 桂子 | ||
| はらからの声相似たる桜餅 | 畳谷 智代 | ||
| まなうらに詰まるは春愁のたぐひ | 宇高 徳子 | ||
| まはり道してお彼岸の茶筅塚 | 佐渡寿美恵 | ||
| 売るといふ彼岸桜の咲く家を | 岡本 弘子 | ||
| さくら餅母の家まで十五分 | 今阪 雅子 | ||
| かぴたんも象もこの道芽吹山 | 森光 梅子 | ||
| おたがひに過去を語らず桜餅 | 藤平 寂信 | ||
| 闇深き彼岸なりけり地の荒ぶ | 出井 孝子 | ||
| 病み抜けて桜餅なる香に酔ひぬ | 川勝 洋子 | ||
| せめてもの徴にもとむ桜餅 | 水谷 紀子 | ||
| 侘しさのひとりいただく桜餅 | 瀬戸内寂聴 | ||
| 寂庵の梅咲き揃ふ彼岸かな | 瀬戸内寂聴 | ||
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