例会トピックス 

あんず句会(藍生関西2月例会)  
(平成15年2月21日)
会場:曼陀羅山寂庵

主宰ご出句
母の間に母の雛を飾りけり
  母のなき子のなき雛飾りけり
  寂庵に句座あり雛の灯あり
  山姥のゆふべひとりの雛流し
  雪国の会津も奥の流雛
   

特選句


  浅春の森てのひらに我の闇 河辺  克美
  マンバウ夢見る二ン月の万華鏡 曲子  治子
  冴返る火種のひとつ大切に 出井  孝子
  紅梅の朝きれいな雨の粒 畳谷  智代
  閉ぢ籠る女の耳の冴返る 田邉  閑雲
  反戦の怒涛のうねり梅開く 瀬戸内 寂聴
  立ちながらひらく朝刊冴返る 瀬戸内 寂聴
  何千回きらひとおもふ冴返る 河辺  克美
  雛飾る宿場博多屋長崎屋 森光  梅子
  刺青の梅の濃淡から春へ 本郷  熊胆
  ことしまた雛まつらずひつと老ゆ 佐渡 寿美恵
  眉引きは父の筆なる押絵雛 今阪  雅子
  皺くちやの妻の形見の押絵雛 藤平  寂信
  戦争は回避するべし雛飾る 長   晴子
  満月のはや欠けはじむ梅の花 森光  梅子
  風に乗り逃亡する日梅真白 河辺  克美
  まつすぐに文字書きづらし冴かへる 小林  澄子
  筆売の墨置いてゆく春の雨 曲子  治子
  アルツハイマー女史笑ふ緋木瓜咲き 藤平  寂信
  冴返る骨片のその触るる音 篠田 くみ子
  雲の端に春光きざす銀閣寺 今井  わこ
  湖は雪呑みつくしたり春の月 渋谷   澪

一重丸句

 
  気まぐれなひとの恋また猫の恋 橋本   薫


  歯科眼科内科と廻る梅日和 中村  昭子
  鉄棒をひやりとつかむ春の月 岡本  弘子
  如月の十三夜なり母看取る 永井  孔雀
  責めわれに帰すといはれし梅真白 植田  珠実
  音楽も献ぐ言葉も冴返る 水谷  紀子
  フエルトの靴はじめての雛まつり 岡本  弘子
  移り住む西には西の櫻餅 角谷  彩子
  待つことは止めにしたはず冴返る 水谷  紀子
  紅梅の香に満つ許し得たるのち 寺島  麻里
  留守番の雛の貌も見飽きたり 酒井  章子
  足音につきくる月や梅の花 三枝  桂子
  ひとり夜の指輪はずして冴返る 金子  恵美
  野梅りんりん雲引つ張つて開きけり 酒井  章子
  加賀の酒酌まむか春の霰なら 米田 多美子
  昨夜半の春雪を聞き寂庵へ 木寺  洋子


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