例会トピックス 

あんず句会(藍生関西1月例会)  
(平成15年1月17日)
会場:曼陀羅山寂庵

主宰ご出句
山眠る形見の小さき文机
  一輪の紺侘助のなかんづく
  文机のそのまゝにあり薺粥
  侘助のひらいて散つて選句して
  天平の舞をしづかに読み始む

特選句


 
  傷痕の記憶とふもの山眠る 植田 珠実
  踏み入れば散る寂庵のさざんくわも
今井 わこ
  ちちははの祖父祖母の山眠りけり 出井 孝子
  普段着の老人ホーム賀詞交す 藤平 寂信
  侘助や次の間といふ安らぎに 畳谷 智代
  分けるほども無き煮凝のうまかりき 寺島 麻里
  きみは壁わたしは扉山眠る 植田 珠実
  野水仙激震の刻通り過ぎ 井崎ユキ子
  山眠るつぼのあつまる足のうら 今阪 雅子
  みどりごに木匙で掬ふ薺粥 南浦 小糸
  ははと継母姑もまた母芹薺 曲子 治子
  寒月の青鷺の羽根はは老いし 今井 わこ
  摘んで来し薺を洗ふ冷めたさよ 河村喜代子
  侘助のひらききるとき墜つるとき 米田多美子
     

一重丸句

 
 

今年こそ七草七種入り候 

角谷 彩子  
  七種や日暮るるまでが明るくて 本郷 熊胆  
  米を磨ぐ闇に氷柱を太らせて 原 真理子  
  襞深くして嵐山眠りけり 宇高 徳子  
  薺摘む初吟行となりにけり 河村喜代子  
  七日粥磯の風まで膳に載せ 本郷 熊胆  
  行き帰る京も大和も山眠る 杉田百合代  
  田に貼りつく薺摘みにけり 河村喜代子  
  山眠る十三階のレストラン 太田 智子  
  嘆くをとこに風花の空がある 宇高 徳子  
  正暦寺へ歩けば出会ふ七草菜 杉田百合代  
  七日粥婦長を囲む患者達 本郷 熊胆  
  晴れにけり薺摘む間の愛宕山 河村喜代子  
  渺茫と雪暮れてゆく比良比叡  藤平 寂信  


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