例会トピックス 

第134回 藍生12月例会
(平成14年12月8日)
会場:芸術劇場中会議室

主宰ご出句
應應と嫗につどふ寒鴉  
  梟の那須野は冥しありがたし
  田鳧啼く屏風しづかにたたまれし

特選句

  月光のあらふこの雪のふらここ 中村 祐治
  年の差のたった十年冬木の芽 安達 潔
  果てもなく鮫は沈んでゆくさうな 栗島 弘
  光悦の墓に詣でて炉を開く 岩井 久美恵
  杖に身をまかせられずに年暮るる 辻 久子
  まっすぐに枯れたる葦を筆とせむ 鎌田 美樹
  冬虹や巡回教会百周年 大矢内 生氣
  雪を呼ぶ雲の幾群蚊榧の空 田中 みよ子
  柊の花またやみし雨であり 大西 京子
  枯萩をつめたる袋あたたかし 田邊 文子

一重丸句

 
  梟の目瞑るのみぞ啼くまいぞ 田中 啓介
  白鳥に押し潰さるる夢のやう 田川 研一
  干大根ひかり溢れてゐるばかり 藤井 正幸
  しぐるるや女の息とすれちがひ 伊藤 通子
  下校時間降りしきる柊は 栗島 弘
  眼鏡かければ綿虫のとべりけり 深津 健司
  綿虫を見失なひゆく日差かな 石橋 玖美子
  潮菊の夕日を見ずに帰りけり 山口 都茂女
  地下道を長く勤労感謝の日 中村 朋子
  石畳又石畳返り花 新原 澄子
  冬桜水のごときを仰ぎけり 深津 健司
  人参を入れて落ちつくお弁当 盛田 道子


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