例会トピックス 

第131回 藍生9月例会
(平成14年9月8日)
会場:池袋、芸術劇場大会議室

主宰ご出句
遺句遺稿月の机に束ねては
  秋ひとり君が絶句を正しけり
  絶筆の句稿を閲すいなびかり

特選句


  白湯のんで二百十日の灯消 糸屋 和恵
  長き夜のすこしあかりを灯しをく 藤井 正幸
  入替のなき映画館ちちろ虫 横井 定利
  秋草を刈る秋草に隠れつつ 今野 志津子
  阿弥陀如来堂ときどき草の絮 栗島 宏
  大雨に流されてゆく秋の蝉 田中 美代子
  夏果ての鯒いきいきと釣られけり 植村 やよひ
  虫ききの茶会北斎屏風かな 岩井 久美恵
  やがてまた秋のヨットの一列に 中村 朋子
  而して月光晩夏といふべかり 大矢内 生氣

一重丸句



  散りさうな薄黄葉より雨雫 後藤 洋
  青葡萄硬し明日また会ひませう 大矢内 生氣
  そのひとを銀河の淵へ誘ひけり 秋元 真理子
  吊橋を揺らして渡ることも秋 今野 志津子
  病床に良書を得たる良夜かな 村田 英尾
  草の花刈りよせられてありにけり 栗島 宏
  ねこじゃらしつつかへながら流れけり 栗島 宏
  萩そよぐほどの夜風にあそびけり 金堂 豊
  篝火の火の粉を踏みて踊りけり 浅見 宏子
  遊びつくして蛇穴に入るところ 深津 健司
  月は細りて絲瓜の水は増えてゆき 半田 真理
  野を分けてまっすぐに来る秋の水 今野 志津子
  生国や菊茹で上る湯気の底 伊藤 通子
  蜻蛉の折れたる茎に戻りきし 山口 恭徳
     
       


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