例会トピックス 

第130回 藍生7月例会
(平成14年7月28日)
会場:池袋、芸術劇場大会議室

主宰ご出句
陰暦八月八朔の海の霊
  不知火のその海底のとりけもの
  不知火の夜の言霊の明滅す

特選句


 
  覇王樹や話をしたき人もなく 鎌田 実樹
  螢火の高きは風に攫はれて 村田 英尾
  断面をさらしておほき花火玉 鎌田 ゑり
  開扉して雄鹿にあかき袋角 大場 敦子
  麦星に涼む躄ゐざりゐざり 山口都茂女
  石に坐ればほうたるのながれけり 栗島 宏
  星合や雄鹿は水に脚冷やし 大場 敦子
  ゆふぐれの動物病院の金魚 今野志津子
  日雷ワインの城にとどろけり 岩井久美恵

一重丸句

 

星祀る塩つぺえ女の物語 

大矢内生氣
  月見草仕事半ばで帰りけり 石川 秀治
  一画をあかるく雨の半夏生 原田 桂子
  炎天や砂のくぼみに雀啼く 住田 千恵
  でで虫や防潮扉E4番 水野 浩子
  梅雨の蝶右へ右へと傾ぎ飛 桑田 勝美
  沙羅の花密かなる一礼をする さとうかしこ
  桃のごときはすの蕾に誰か住む 中村 祐治
  風鈴に夕風のくる小部屋かな 石川 秀治
  土用満月銭湯の灯の煌煌と 岩谷美津子
  ゆめをみる代り辣韮剥きにけり 深津 瑩子
  夕立いま馳せ下りくる葡萄畑 水野 浩子
  ひとりみる夕顔の花白すぎる 山岸 明子
  みんみんや道のべに売る墓の石 二宮 操一
  鯔の子の円陣移る雪の峰 水野 浩子
  羅や添ひきしものを捨てきって 鈴木 仁  


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