例会トピックス 

第129回 藍生5月例会

                                                      (平成14年5月12日)
                                                     会場:池袋、芸術劇場大会議室


今回は主宰がご不在の為、互選の外下記6名の藍生賞作家により選を行いました。

藤井 正幸、大矢内 生氣、栗島 宏、石川 秀治、 田邊 文子、深津 健司

選句


  トロッコの走る奥久慈踊子草 新原 澄子
  職を辞す筍飯を炊きにけり 三浦 薫子
 

西安の露天市場の蠅叩 

深津 健司
  青鷺のつがひひむがしより来たる 岡村 遊 
  青虫のすべて原色みどりの日 曽根 新五郎
  母の日の花女房に頼みけり 田中 啓介
  思ひきりきのふの蠅を叩きけり 植村 やよひ
  著莪の花名水を汲む女達 清水 正子
  桐の花弔ひの角いそぎけり 鈴木 仁
  骨をみし日の焼酎は鬼ごろし 曽根 新五郎
  篁にすこし離れて皮を脱ぐ 後藤 洋
  暮れきはのひかり牡丹崩れけり 田邊 文子
  初鰹深夜足首洗ひけり 田中 啓介
  橋上に十字架見あぐ更衣 城下 洋二
祭といふ寂しきものを重ねきし  藤井 正幸
  ぬれてゐる夕日の中の罌栗の花 宇田川 宏子
  夜となり青葉の冷ゆる雨となり 大矢内 生氣
  順番のあるやうに散り桐の花 二宮 操一
  山藤の葉波の風を下りけり 續 辰太郎
  夏きざす海底は灰色ばかり 竹内 貴久枝
  ばら洗ひつくすほど山からの雨 宇田川 宏子
  夏竹を割る大声でなにか言ひ 有住 洋子
  初夏の日ざしにひとをまちにけり 秋元 真理子
  葉桜や歩道に沿ひて水溜り 門奈 明子
  天豆の一本ごとの支柱かな  成岡 ミツ子
  ぼたん寺ゆっくり歩む孔雀かな 清水 正子
  就職をして無口なる穂麦かな  桑田 勝美
  若葉風犬を抱かせてもらひたる 中村 朋子
  宵越の銭の残れば穴子鮨 奥 良彦
  生れたての光をひきて川蜻蛉 深津 瑩子
  えご散って銀河のやうな森の道 石橋 玖美子
  風鐸に降りそそぎたる桜蘂 海老根 ヨシ子
  御寺や瀬音に交るほととぎす 荒井 栗山
  白牡丹風の動かぬ日なりけり 栗島 宏


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