例会トピックス 

第127回 藍生3月例会
(平成14年3月17日)
会場:池袋、芸術劇場大会議室

主宰ご出句

ゆくほどにことしは深き花の闇
  いづかたの花深井戸に散りこむは
  月満ちて花満ちて地に辞世満つ

特選句
  蕗のたうぽんぽん物を捨てにけり 深津 瑩子  
  喪主一人回向一人櫻切り 大矢内 生氣  
  野に老ゆるクレソンほどほどの苦味 山口 都茂女  
  花片の降りつもる首の重さかな 半田 真理  
  初花や会ひに行くことさへ未来 岩下 香映  
  葭焼や男体山に雲ひとつ 岩井 久美恵  
  屋上にすこしの草木春の月 石川 秀治  
  雛段のうらにさびしい夜が来る 山岸 明子  
  初つばめ風の室戸の風に乗る 村田 英尾  
  流氷の舟漕ぐ音でありにけり 深津 瑩子  
  夕暮の椿の前を通りけり 石川 秀治  

一重丸句
  おほぜいのきてしづかなり椿山 田邊 文子  
  風の日の記憶でありし花辛夷 藤井 正幸  
  白梅をもう気にもせず通り過ぐ 成岡 ミツ子  
  花辛夷ひとすぢ西へ門ひらく 有住 洋子  
  山葵田を出でたる水の速さかな 小松 勢津子  
  かかる日は静かにゐたし鳥帰る 藤井 正幸  
  椨の木の林立一対の雛 山口 恭徳  
  しゃぼん玉のやうにわらふしゃぼん玉吹き 成岡 ミツ子  
  黒海苔を掻き化者として女たち 大矢内 生氣  
  梅の花みな黒靴でありにけり 石川 秀治  
  殺めつつ殺められつつ水草生ふ 青天子  
  遠野火や馬の蹄の跡いまも 辻 久子  
  さめし子のははみてねむる黄蝶かな 浅見 宏子  
  その上のなほその上に山櫻 大矢内 生氣  
  一斉に機械の止まる花の昼 城下 洋二  


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