例会トピックス 

第126回 藍生2月例会
(平成14年2月10日)
会場:池袋、芸術劇場中会議室

主宰ご出句

寅彦のオルガンの鳴る黄沙かな
  生ずるも死するも独り海鼠凍つ
  春雷や鵜草葺不合命

特選句


 
  嚏してひとり遠くを見てをりぬ 寺澤 慶信
  節分の豆拾ひけり二月堂 新田 久子
  水仙の内よりひらく雨の音 山口 恭徳
  冬田より冬田へ板をわたりけり 栗島 弘
  節分の鬼畏まる木遣りかな 奥 良彦
  塞がれて汲井戸になほ風花す 大矢内 生氣
  またひとつ秘密をふやす椿かな 糸屋 和恵
  臘梅の月夜の道となりにけり 石川 秀治
  寒の空きのふの魚の干されけり 青天子
  藪椿われら明るき夜に棲めり 大谷 弘至
  鬼ヤラフトスル全人類を俯瞰セヨ 大矢内 生氣
  雪の降る去年の雪を思ひ出す 鎌田 ゑり
  臈たけてをんな二月をなくしけり 鈴木 仁
  風船につかまってゆく子供かな 今野志津子
  家ひとつ包める梅のひかりかな 二宮 操一
  節分の鰯の頭血を噴いて 岩井 久美恵

一重丸句

 
  安寿また厨子王もまた椿の名 高木 ゑみ子  
  臘梅のうしろの木戸を押しにけり 田邉 文子  
  梅の香やまだあたらしき荒莚 岩谷 美津子  
  べっとう風閻王とゐる岬かな 山口 都茂女  
  好きな句はいつまでも好き水温む 二宮 操一  
  地炉焚いて梅見の人も招じけり 水野 浩子  
  椿落ちたり産声あがりけり 秋元 真理子  
  つつがなくうかうかと春立ちにけり 糸屋 和恵  
  雨ながら早梅ながらうすみどり 栗島 弘  
  百歳のこゑおもひだす春の雪 横井 定利  
  春風といふ放浪にあこがるる  藤井 正幸  
  春の雪老眼鏡を拭きにけり 肥田野 由美  


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