第16回まちづくりソフトウェア最前線研究会「ナウキャスト(緊急地震速報)に寄せる期待」 |
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平成16年2月23日(月)
第16回まちづくりソフトウェア最前線研究会
「ナウキャスト(緊急地震速報)に寄せる期待」
気象庁総務部企画課 井上 智夫 氏
気象庁地震火山部管理課 加藤孝志 氏
気象庁地震火山部管理課 山田 尚幸 氏
P波が発生した後、S波が来るまでのわずかな間での予報と対応を目指す。
全国3400箇所以上の震度計、従来は2分で震度速報、3分で津波予想、5分で震度・震源情報を配信していたが、緊急地震速報(ナウキャスト)は数十秒で発生情報、規模・位置推定・推定震度を流す。
P波とS波の差、震源が静岡沖であれば東京では40秒程度の差。
東南海地震の場合、津波の発生は数十分から1時間の差で各地域に至る。
5月26日の宮城地震、仙台では緊急地震速報(ナウキャスト)の警報から10〜15秒程度のゆとりをもって、本震が来る。
交通関係者では、鉄道総研、小田急が関与。
十勝沖地震の場合、予想と実際とかなりの接近性を持つ。
2月25日から試験配信開始おおむね1年間行う予定、気象庁と専用回線で結ぶことで誰でも配信を受けられる。初期投資10万程度、月利用料3万円程度。
現在10機間、その他民間上場企業数社にコンタクト、今後100程度の加入を予想。
将来は各種の端末にも配信できることを目指す。
直近の地震には効能は期待できない。
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質疑:
リスクのある情報をまちづくりでどう活用するか、その知恵を求めたい。
小さい地震で工場が止まってしまう場合、その損害保証の問題が処理しにくい。
この7月の地震での宮城沖電気の被害、活用が望まれた。
電力会社は電気を切らないことが本懐となっている。
海底地震においても運用を期待したい。
16年度は海底調査の費用は見込まれている。
海底地震は波形がクリアでないのが問題がある。
深い部分で発生する地震は詳細把握に時間がかかるので、海溝型地震のほうが有効に機能する。
JRのP波センサー(ユレダス)は震源近くにセンサーがあるわけではない所が、ナウキャストと異なる。
メキシコ・シティでは、P波、S波センサーによる検知システムを行っている。警報を出すだけでなくラジオも放映するようである。ただし、メキシコ・シティ周辺のみに配置されている。地盤軟弱なため地震にナーバスである。カルフォルニアでも研究中。
予報、予防的情報に社会が充分に理解があるとはいえず、そのあたりのコンセンサスの醸造を待つ必要がある。予報が空振りになっても受け入れるだけの社会が必要である。
防災ボランィアと連携し、一般端末の活用法を模索したい。
わずかな対応時間を活用するためには、あらかじめ対応マニュアルを決められる所でないと使えないと、有効にならない。
地震災害情報と地震保険がセットになるような企画が期待される。
防災機能にスイッチオンするためのトリガーになるような使い方が望まれる。 |
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