第5回まちづくりソフトウェア最前線研究会「札幌地域ポータルサイト奮戦記」札幌市総務局行政部総務課 北川 憲司氏
   
第五回まちづくりソフトウェア最前線研究会
平成13年12月18日

札幌市総務局行政部総務課  北川 憲治氏

札幌地域ポータルサイト奮戦記

札幌は現在、雪。史上観測2番目。
札幌情報化推進部が市役所のWebを管理。くらしのインデックスを設置、届け出、証明など市民に身近な項目がすぐ出るようにした。市民にとって暮らしに変化があったときに、市民はアクセスしてくると考え、そういったアイコンを中心に編集し直した。すると、それまでアクセスをしていた人は仕事上の必要から組織割に則った行政情報アクセスしていたため、それらの人々からは苦情が殺到した(日に十数件)。苦情メールには誠実な検討を加え、設計に反映させた。
将来的には電子申請、などのオンラインサービスに努めたい。

電子会議室(eトークさっぽろ)、音声ガイドなどの方法を試み、インターラクティブな運用に努めている。
電子会議室では、方針や具体策を生み出せる人材が市民や役人の中に育った。
札幌市民は新しいものが好きであることも幸いしたと思われる。
アクセス者は30代40代の男性が多く、主婦、老人などの生活者のみが市役所の利用者である、という考えが思い込みであったことがわかった。

電子会議では現在4つの会議室。札幌市ホームページ編集会議、子どもの居場所研究会、「好きですさっぽろ」フォーラム、など。

地域ポータルサイトの作成の必要がある。
フューチャースクェア(電子流通促進協議会、任意団体)のサイトの評判が良い。経済局がコンタクトを取っているが、基本運営は民間主体、運営事務局は数人で更新、申請受け付け作業を行う。その他にwebデザイン管理などは専門業者に委託。行政がかかわっているので、ネットビジネスに展開しにくい(決済事務が難しい)。
構築費、運営費はボランタリーな面が多く、安目にあがっていると言える。ビジネスに展開していくためには、まだ問題が多いと思われる。

地下鉄工事の遅れを世間話のように市民同士がネットで語り合い、それに市役所職員が自然に入っていって話が進んでいく、といった対話も実現している。

区別のローカル情報の充実、南区のくま出没情報など。

市役所内のキーマンが連絡を取り合いながら、リードオフマンとして頑張った。職員同士のMLによって叡智を集めるようになった。

有珠の噴火のときに伊達町に支援にいったときに、パソコンで情報収集支援を実現したことも大事な経緯となった。その成果のため市役所内で、ネットに対する抵抗アレルギーを起こさないまま、ネット化推進を進められた。情報インフラ、ノウハウともに市民のニーズに対応することが十分に可能な状態でサイト運営がスタートしていった。

事業の成否は人材の有無にかかっていると言える。札幌は今、運良く人材が揃ったと考えられる。