心的外傷によるトラウマが強度の予期不安や恐怖感、パニック状態を引き起こすこ とはよく知られるようになりましたが、FAP-Methodはそれに簡単に確実に対応で きる技法として注目を浴びています。
 またこの方法は、さまざまなストレスにも適応 性が大きいことから、ストレスフルな看護現場への導入を試みて、今回のセミナーを 開催しました。
 参加者の多くが、身体的なストレスや、心理的な課題をお持ちで、熱心に技法の習得に取り組んでいただきました。
 このFAP-Methodを開発・研究されてこられた大嶋先生の経験豊富なお話と、具体的な対処法によって、新しい技法にもかかわらず、この2日間で実際に使えるまで に習得できたことをうれしく思います。

>>>「FAPモデル」について
     
   
 


 PTSD(心的外傷)などによって引き起こされるクライアントの不快な感情が、何らかの形で治療者の臓器に影 響を与えることに着目し、その身体反応を読みとり、クライエントに共感していくと、 クライエントは不快な感情からすみやかに解放されやすくなることがわかってきた。
 そこで、いかに的確にその反応を読みとるかをテーマに研究を重ねた結果、身体で一 番反応を受けやすい指に焦点づけし、反応の出た指を刺激することで、クラ イエントは不快な感情をすみやくに解消していけるようになる。

 
 この指の反応は、クライエントの身体(主に脳)に起こる感情を受け取ると、 治療者の指が曲がる、突っ張る、痛いなどの身体刺激を受けることをいう。ミラーニ ューロンの発見によって、人間には相手の動作と同じように反応する細胞の存在が証 明されたことで、この反応は理解できやすい。
 このようにして、治療者が手を振って指の反応を拾うことで治療ポイントを診断し、 指のポイントの圧迫と意識の左右移動を中心に治療していく方法がFAPと名づけられた。
 
こうした開発の過程を、大嶋先生の豊富な現場報告とともに紹介され、その有用性に興味がわく。
     
   
 

 
 FAP
診断の方法とその手順の説明のあと、3人1組になり、お互いの指の鋭敏性の 練習を行う。
 その後、2人1組になりロールプレイで練習を重ねる。まず相手に「いま気になることや嫌なこと」をイメージしてもらい、掌を振って指に出る反応をチェックしていく。
 これによって相手の精神生理固着(嫌な記憶や心配な考えによって、身体レベルで生化学的、生理的、内分泌的、免疫学的などのさまざまな生体活動が起こっている状態) が症状によって検出できるので、その方法を学ぶ。あわせて、クライエントの症状によっては治療を抵抗するポイントを修正することが大切なことも学ぶ。

 
     
   
 
 慣れれば15分ほどの施行で効果が上がるFAPは、1回だけで症状が消えてしまうこ とも珍しくなく、副作用もない。また、言葉で説明できない乳幼児や、高齢者にも適 応可能であるという。
 できるだけ看護現場でも応用しやすいようにと、特別に「身体疾患を訴えるクライエ ントへのFAPメニュー」が加えられた。
 最後に、「どんな方法であっても治療者が、この方法によってクライエントはよくなっていけるんだということを強く信じ、相手にもそれを伝えることで、その効果は数倍 違ってきます」と、「山を動かすほどの信仰があっても、そこに愛がなければ何の意味もない」と 説くキリストの話や、ご自身の治療体験を紹介され、クリスチャンであられる大嶋先生の大きく熱いクライエントに対する信頼感を感じて、参加したことの意義を実感できるセミナーだった。