#1 「理想の自分」と「現実の自分」のギャップに悩む人を例に
#2 ナラティヴ・セラピーの12のステップ?
 
ドミナント・ストーリーを脱構築する
1:外在化する会話:問題を名付ける
2:問題の歴史をたどる
3:問題の影響を明らかにする
4:問題を文脈に位置づける:脱構築
5:ユニークな結果を発見する
6:ユニークな結果の歴史と意味を後付けることとオルタナティヴ・ストーリーを名付けること


オルタナティヴ・ストーリーを分厚くする
7:リ・メンバリングする会話
8:治療的文書
9:治療的手紙
10:儀式と祝典
11:会話を拡げる
12:アウトサイダー・ウィットネスグループと定義的祝祭

(Alice Morgan:What is narrative therapy?より)
「ナラティヴ・セラビーって何?」金剛出版、近刊
 
【図1】

#3  あたらしい、気になる治療概念
 
リジリアンス
アカウンタビリテイ
行動体(エイジェンシー)/フォークサイコロジー
スピリチュアリティ

#4  リジリアンス resilience
 
リジリアンスとは、人の回復する力、苦難に耐えて自分自身を修復する力のことです。リジリアンスについて学ぶことによって、本人がリジリアントになれると考えられるため、治療的だとされています。
 臨床研究によると、能力に欠けたり問題のある両親の子どもは、自ら用心するようになり、その過程において力強く育つことが知られています。若いサバイバーは、家族の外でどのようにして同盟を組むか、ファンタジーゲームの中にどのようにして喜びを見つけるか、あるいは、学校で認めてもらうことでどのようにして自己評価を上げるかということを知っています。長い間かかって、そのような技術を修得することによって逆境を乗り越えて成長する能力が展開され、リジリアンスと呼ばれる、サバイバーの自己において長続きする力強さ、ないしは側面が実を結ぶのです。それには、以下の7つがあります。
 
洞察 難しい問題について考え、誠実な答を出す習慣。
独立性 問題のある家族と自分自身のあいだに境界を引くこと。つまり、あなたの良心からの要求を満たしながらも、情緒的かつ身体的な距離を置くこと。
関係性 他の人々との親密で、充足的な絆。これによって、自分自身の必要性に対する共感のこもった成熟した配慮と、誰かに与える能力とのバランスがとれるのです。
イニシアティヴ 問題に立ち向かうこと。コントロールすること。労の多い課題によって、自分自身を強化し試していく傾向。
創造性 悩ましい経験や痛ましい感情の混沌に、秩序、美しさ、それに目的を持ち込むこと。
ユーモア 悲劇の中におかしさを見つけること。
モラル よい人生を送りたいという希望を全人類にまで拡大していく良識。
 
【図2】

リジリアンスは、性格によっていくつかの群に分かれます。7つすべてのリジリアンスを獲得し、過去と訣別するようなサバイバーはほとんどいません。大多数の人々にとって、リジリアンスと脆弱性は正反対のところにあります。前者は、あなたを持ち上げ、後者は、あなたを落ち込ませるほどに脅してきますが、多くの人々において、決断が勝利を収めます。(Wolin and wolin,The Resilient self,Villard Books,1993より)「リジリアント・セルフ」仮題、金剛出版、近刊